Shinji KONOさんの<3990154news.pl@insigna.ie.u-ryukyu.ac.jp>から
>> また、たとえ量子コンピュータで巨大整数の因数分解のシミュレーションがが本当
>> に可能になったとしても、暗号の安全のためには、別の一方向性を持った数学モデ
>> ルを持って来れば済みます。Shor のアルゴリズムを実現すること自体については、
>> その工学的な価値はないと考えます。
>
>分子状態とかを計算するには膨大な計算が必要なわけだけど、実際
>の反応は一瞬で終っているわけだから、それを逆に「なんか得意な
>計算があるだろ?」っていう期待はありますよね。

「RSAがダメ」ってところに、意味がなくはないです。というのが暗号学サイ
ドからの意見じゃないでしょうか。
楕円曲線がいいか、RSAとかElGammalがいいかっていうのは、割と技術的な問
題だけでもないので。

もっとも、量子コンピュータが実現できる世界は、量子暗号が実現できる世界
でもあると私は楽観的に見ています。量子暗号(正確には配送法というべきだ
と思うけど)があれば情報理論安全に持っていくことは不可能ではないと思い
ます。
(こちらはこちらで旋光を制御した単一光子の制御とか検出という問題があ
るのだけど)

>それが、因数分解となるかどうかはわからない。しかし、通常の計
>算機よりも早い計算が出来ることがわかれば、それにそった工学的
>応用は見つかるんじゃないかな。

まあ、ものがあれば応用なんてものはいくらでも出てくるわけですが。

私の書棚にある本(旅行中に付、その書名はすぐには出てこないんですが)に
は、何qubit並列するか という問題のほかに、何回演算できるかというのが
量子ビットの実現法に左右されるようなことが書いてありました。
そういう意味で、qubitの並列度ってのは、8bitコンピュータを16bitにするよ
うにできそうな気はするんですが、後者の方はが「適用可能アルゴリズム」の
質的向上に直結するので、わりと未来は険しそうにも見えます。

#Adaが作ったプログラムに相当するものってのはあるんでしょうが。

>> 量子コンピュータは、デジタル・コンピュータというよりアナログ・コンピュータ
>> に近いものです。アナログ・コンピュータの適用範囲は限られます。波動関数の重
>> ねあわせを利用することで様々のシミュレーションが高速に実現できても、それで
>> 高速に C コンパイラを動かすことはできません。量子コンピュータの応用はデジ
>> タル・コンピュータとは異なり、シミュレーション的な分野に限られるように思え
>> ます。
>
>それは、状態を持つコンピュータというモデルに縛られているから
>だなぁ。僕も、状態が作れないなら計算は出来ないっていう立場に
>近いので、今のままなら面白くないとは思いますが...
>
>分子コンピュータみたいに純粋に並列性による高速化を目指す方は
>あんまり気にならない?

暗号学的には、並列計算はわりとネタになりますねぇ。
Adi ShamirのTWIRLとかどうなんでしょ>河野先生

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