"Yuzuru Hiraga" <hiraga@slis.tsukuba.ac.jp> wrote in message
news:40BA2055.6070606@slis.tsukuba.ac.jp
>
>
> kin-y wrote:
> > どうもはじめまして。当方はとある塾の講師をしている
> > 者です。
> > 円錐の体積が円柱の1/3になる理由はわかりますが、
> > 四角錘の体積が四角柱の1/3になる理由が分かりません。
> > 初歩的な質問で申し訳ありませんが、どなたか助けて
> > くれるとありがたいです。
>
> すでに他の人のコメントもありますので、少し一般的に言います。
>
> まず私もなぜ円錐の場合はわかって四角錐(「錐」はこちらの字です)
> の場合がわからないのかがわかりません。
> 言い換えると、円錐の場合と同じ原理で角錐の場合もわかるはずです。

私の手許に「大学入試の抜け道数学」なる本が有って、
「平面上の図形を、それと交わらない同一平面上の直線のまわりに
回転してできた回転体の体積Vは、その図形の面積に、その図形の
重心が描く円周の長さをかけたものになる。」
とあります。(バームクーヘン積分とか言う?)
元記事の人は、これを一種の常識のように考えて、直円錐に使った
のではないかと。

>
> =====
> 一般に n次元錐体とは、n-1 次元の超平面上に(超)底面を持ち、
> 頂点と底面上の点を結ぶ線分を点集合とする図形です。
> 簡単のため、底面は単連結の閉領域とします。
>  # 一般には(超)面積確定であればよい。
>
> このとき頂点と底面との距離(=錐体の高さ)を h、
> 底面の(超)面積を A とすれば、
> 錐体 C の(超)体積は Ah/n になります。
>  # いちいち「超」をつけるのはうっとーしーので以下は略します。
>
> 2次元錐体は線分を底辺とする三角形で、線分の長さを A とすれば面積は Ah/2
です。
> 3次元錐体の場合、普通に底面積 A、高さ h に対して体積 Ah/3 になります。
> 同様に4次元錐体等も考えていくことができます。
>  # 例えば「4次元円錐」は、3次元の球を底面とする錐体です。
>
> 1/n というのが次元を反映しており、これは錐体の断面積が
> 頂点からの距離の n-1 乗に比例することによります。
> 積分するとこれが 1/n という係数として出てきます。
>
> =====
> 2次元の場合、底辺と高さが同じ三角形(一般には面積が等しい任意の多角形)
は、
> 一方を適当に切り分けて並べ替えることにより、他方と合同な図形にすることが
> できます(これを両者は「分解合同である」と言います)。
> この観点から三角形の面積の公式を導くことができます。
>
> ところが3次元になると、一般に分解合同性は成り立ちません(デーンの定理)。
> 例えば底面と高さが等しい3つの角錐を有限個に切り分けて、
> 同じ底面・高さを持つ角柱に組み立てることは(一般には)できません。
>
> したがって体積を考える場合には、なんらかの形で極限概念
> (積分、カヴァリエリの原理等々)を用いる必要があります。
>
> ですから塾の先生とのことですが、小中学校レベルでは厳密な意味では
> 一般の錐体の体積を扱うことはできません。
>  # もちろん特殊な場合には可能です。
>  # 例えば立方体を、対角線を含む面で分割すれば6つの合同な四角錐ができ、
>  # それぞれは底面が立方体の1つの面、高さは1辺の半分で、
>  # 体積は立方体の 1/6 です。
>
> (平賀@筑波大)
>