河野さん、そるしすさん、宮本さん、Kiguchiさん、Toshiさん、レスありがと
うございます。まとめレスで失礼します。小林@那須です。

私自身の量子力学のレベルは Sakurai を読んだ後に高橋康さんの QED 関係の
本を何冊かよんだところです。ベクトル・ポテンシャルのフーリエ成分が調和
振動子とみなせること、電子の波動関数を第二量子化したものと相互作用をす
るあたりでうろついています。

今回の疑問は、教科書に書いてあるような水素原子の波動関数が、電磁場と相
互作用をして光子を放出するときを考えると、一方向にだけ光が出てくること
が納得できなかったことにありました。

河野さん> でも、そんな風に一つの遷移に関して常に二つ光子が飛び出るとす
河野さん> ると、逆に光が吸収されて電子のエネルギー準位が増加する確率は
河野さん> 限りなく0になってしまいますね

宮本さん> するともし発光が二光子なら, 吸収も二光子でなければなりません。

仰るとおりですね。自分で放出した光と同じ振動数の光を注入されたら励起状
態に遷移するはずですね。


宮本さん> すなわち, 光を放出することの反動としての運動量を電子が受け取ったと
して
宮本さん> も, それはもともとの運動量の不確定さに対して四桁程度小さくて,

確かに、可視光による反跳の運動量は意外と小さい値です。でも

光子の波長 1 um>sf "λ=10^-6"
< 1e-006 > m
一個の水素原子質量>sf "mH= 1.6735 *10^-27"
< 1.6735e-027 >

とすると

1 um 波長の光子の運動量>sf "h` /(2 π λ)"
< 1.6784e-029 > Kg m /s

1 um 波長の光子の運動量に相当する水素原子の速度>sf "h` /(2 π λ mH)"
< 0.0100293 > m/s

です。平均値としての 1 cm/s の水素原子の光による反跳は時間をかけること
で測定可能と考えます。


Kiguchiさん> で、電子の状態が変わって光子が1個生成消滅する。しかし、この素過
程は運
Kiguchiさん> 動量・エネルギーの保存則から禁止されている。そこで電子と原子核
のクーロ
Kiguchiさん> ン相互作用による原子核の反跳を使って、素過程の運動量保存を破
る。

そうですね。単純化された中心力に束縛された波動関数ではなく、電子と陽子
と電磁場の系を考えるべきなのでしょう。そして相互作用の無い励起状態の水
素原子が一個だけ宇宙空間に浮いていて光子を放出したとしたら、光子の波動
関数は一方向にではなく、宇宙空間を丸く対称に広がっていくのでしょう。そ
れに呼応して、光子とエンタングル状態にある中心の水素原子の波動関数も広
がっていくのでしょう。

                             ──

        −
    〈  ・  〉  ==>  〈       〇        〉
        −

                             ──

       外側が光子の波面であり、中心の丸がボケていく水素原子の波動関数


現実の水素原子のまわりには他のエレクトロンなどがあり、その影響でエンタ
ングル状態がとけて、一方向の光子が顕現すると同時に、反跳を受けた原子核
も顕現することになるのでしょうね。


Toshiさん> 原子の反跳なしに整合性がとれていると思います。

上のような意味で Toshi さんの「反跳なしに整合性がとれている」とまでは
しなくても良いと考えます。

皆様、勉強になりました。ありがとうございました。

======= kVerifier Lab ===========
EMAIL NoSpam-kenji@nasuinfo.or.jp
小林憲次
=================================