"Kenji Kobayashi" <kenji@nasuinfo.or.jp> wrote in message
news:btkj7c$5b8$1@news.jaipa.or.jp...
> 小林@那須と申します。
>
> 私には原子核に束縛されている電子が状態遷移するときに発生する光子は二つ
> のように思えます。でも教科書の記述では一つだと言っているように思われま
> す。どちらが正しいのか、教えていただけますでしょうか。
>
> --------------------------------------------------
> ● 二つの光子が発生すると考える理由
>
> 光子は運動量を持ちます。遷移に伴う光子が一個だけならば、運動量保存の法
> 則により、原子が光子とは反対方向の運動量を持つことになります。
>
> 一方で光子が互いに逆方向に飛び出すならば、電子の状態遷移が発生しても、
> 原子自体の運動量は変わらないことになります。単純になります。
>
> 私には自然は単純な方を選択しているはずだと思っています。
>
> また対称な電子の状態関数から、別の対称な状態関数に遷移するとき、一方向
> だけに光子が飛び出してくることに強い違和感を感じます。
>
> ● 教科書では一つの光子だとする理由
>
> 教科書には波動関数のエネルギー固有値の差分と、飛び出してくる光子の周波
> 数には下の関係があるとなっています。
>
>     ΔE = h ν
>
> でも、二つの光子が発生しているならば、その周波数は下のように半分のはずで
す。
>
>     ΔE = h ν/2
>
> でもこのような式は教科書に書かれていません。ΔE = h ν ならば、発生する光
> 子は一つのはずです。
>
>
> どちらが正しいのか、教えていただけますでしょうか。よろしくお願いします。
>
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> 小林憲次
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放出される光子は2個ではなく1個で確率的には全方向に一様ですが、1個放出され
た場合はもちろん、どこか1つの方向になります。
この放出による運動量の変化、つまり光子の運動量Δpと、原子内の電子の軌道の、

変化による座標の変化分Δxの積はプランク定数h程度となるはずで、ハイゼンベルク
の不確定性原理から、この程度の量子効果は許されるわけですから、原子内部構造
中の電子軌道の変化に反映されるだけで(いわば内部運動量の変化)原子の反跳な

しに整合性がとれていると思います。