In article <bo4ctf$v24$1@news-est.ocn.ad.jp>, Sin'ya wrote:
>  武力による威嚇を行いつつ韓国を併合した、というのが適切な表現だと私は
>考えます。

 「武力による威嚇を行いつつ韓国を併合した」では、片手落ちです
ね。実際、<bo5et5$oh$1@nwjp2.odn.ne.jp> で中本氏も述べているよ
うに、日本に併合されたい人たちがいたことも事実なのですから。

 そういう一方を無視して「武力」だけ取り出した表現は、「適切」
とは普通呼ばれないで、「偏った」と呼ぶでしょう。

 そら、武力は使います。当時の世界情勢を見れば使わないでなんと
かできることなんか、ほとんどありません。大切なのは、日韓併合が、
当時の社会情勢において、当時の列強の支持(=世界の支持)を受け
て実施された併合だったということです。

 当時の日本としては本当は朝鮮の併合などしない方が経済的には得
でした。実際、鉄道や教育制度などの今の韓国の繁栄の礎にもなって
いるインフラを自腹を切って整備したのは、当時の日本です。しない
方が得なのに併合したのは、ロシアの南下圧力等に対抗して日本の独
立を維持するためには、そこに日本に友好的な国を置いて協力体制を
取ることが重要でした。歴史を見ても、日本が侵攻されたのは、朝鮮
半島が大陸国家に侵略されたときだけです。元寇ですね。また白村江
のときの出兵も、斉明天皇や天智天皇は戦った理由にそういう危機感
があったと言えます。これは、水城構築や大津遷都から言えることで
す。
 しかし、当時の朝鮮が自分一人で独立できる状況であったかという
と、閔妃事件を見れば分かるように、無理でした。列強が併合を支持
したということは、「一人で独立できる状況でなかった」と、列強も
判断したということです。

 日本からしたら、そういう自己の独立がかかった状況での国際的合
意を取り付けた上での大赤字の併合だったということを、外してはい
けません。

 「武力による威嚇を行いつつ韓国を併合した」という表現では、こ
の最も重要なポイントが、まったく現れていません。

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頼光 mailto:raikou@mug.biglobe.ne.jp
関心・専門分野:
 宗教学、歴史学、社会学、情報工学