韓国裏通り。

いつも堅い話ばっかりじゃ面白くないから、たまにはこんな話も良いんじゃないの?

《アガシ2千円》

韓国のテジュン(太田)でのことだ。
フヨに何日か居て太田までバスで帰ってきた。
フヨは駅がなく、太田から高速バスで行くのだ。

太田駅でセマウル号(デジュンからフサンまで3時間程度、料金は2000円と非常
に安い。)に乗るまで多少時間があったので、駅周辺を見て回った。
大通りの沿線にはいろんな店が並んでいる。
革靴など2000円で良いものがある。
食事だったら500円も出せばおかずがいっぱいついたご馳走になる。
新宿だと、ま、2000円や3000円はくだらない。

ぶらぶら見て回っていた。
表通りを一本入った線路沿いの裏通りだ。

ひなびて崩れかかったような小店がぽつぽつあるような通りだった。
道幅はまあまあだが、まるで昔の香港あたりのアヘン屈のような通りだ。

薄汚い戸口の前に椅子を置いて60前後のおばさんが座っていた。
こぎれいにして愛想が良い。
ぼくはすぐ『ピ~~~~ん』ときた。
『はは~~~~ん』ってなもんだ。
そこで、
『なに売ってんの』
と聞いてみた。
『アガシ』
という。
やっぱりやり手ばあさんだった。
僕の感の通りだった。

こんな薄汚いところでねえ。

ついでに、『いくら?』
と聞いてみた。
『20000ウオン=2千円弱』
という。

へ~~~やっす~~~い。
かわいいアガシが2000円だってよ。

もちろんエイズが怖い。
僕は聞いただけでそそくさと立ち去ったことは言うまでもない。


《フサン、ロシア人バー花盛り》

太田からセマウル号に乗ってフサン駅に戻って来た時の話だ。
夜7時ころだった。
駅から地下鉄まで歩いていった。
地下鉄乗り場はフサン駅の外数百メートルのところにあるのだ。
地下鉄に乗ろうとしたとき、
ふと、ついでにフサン駅の周りを見てやろうとおもった。
通りの反対側は結構ネオンも輝いているところが見えた。
僕の興味をそそるに十分だった。

通りを渡ってにぎやかそうなところに歩いていくと、白人男性が数人グループで居
た。
数人づつ結構居る。
このたび僕の行ったところで白人はそう目に付かなかった。
昔韓国に行った時には、軍靴をぴかぴかに磨いた軍服のアメリカ兵を結構目にしたも
のだ。
いうなれば大手を振って闊歩してた。
ところがどうだ?

フサンでも太田でもフヨでも、軍服の米兵は見かけなかったし、アメリカ人は私服で
こそこそと歩いてる様に見えた。
それが?
フサン駅近くに結構居る。
なんだ?こんなとこに米兵が居る?
と、不思議に思いながら、小さな竜の飾りのついた門がある通りに『中華街なんだろ
うな』と思いながら入っていった。
『中国人はホンマ地球上のどこにでも中華街を造るんだなあ、』
と感心するやらあきれるやら。
後で看板を見て、上海通りとわかった。
日本の中華街のように堂々として立派なものではない。
なにやら遠慮がちにこじんまりとした飾りになっている。

通りを進んでいくと白人バーがすぐあった。

男のような骨太でごつい白人女数人が店の前に椅子を出して座っている。

へ~~~、韓国もとうとうアメリカ人を娼婦にしたかぁ。
アメリカ人も韓国人の娼婦になる時代か?
『まあ、あっても不思議じゃないな。韓国は先進国になったし。』
と思いながら、念のため引き返して
『アメリカ人か』
と聞いてみた。
『ニエット』
という答えだ。
『はは~~ん、ロシア人かあ』
なるほど?
フサン港に入るロシア人船員を目的にロシア人娼婦が居るんだ。
昔からロシア人娼婦は極東のどこにでも居たようだからな。
ロシア人女も結構たくましいのだ。
まあすっかり合点がいった。

アメリカ人でなくて妙な安心もした。

通りを進むとあるある。
ぞろぞろぞろぞろ、軒を連ねてロシア人バーがある。
次から次という感じだ。
200M程度の通りに、20~30軒はあった。
10Mに一軒はゆうにある。
もっと多く感じた。
一番にぎやかなところでは何件か固まってあった。

ロシア人船員らしきグループも結構居る。
その中の一人に『どっから来た』と聞いてみた。
『カザフスタン』
という。
いろんなところから来て漁船に乗ってるようだ。
ロシア人女性?
中にはまあまあのも居るが、全体として厚化粧で男を女にしたような感じなのも多
い。
新宿辺りに居る、見てうっとりとするうようなロシア人女性とは似ても似つかない。
新宿の外人バーの外で客引きしているロシア人女性は非常にきれい。
こっちは正真正銘の酒場だ。
口説くまでには大金が掛かりそう。

ものはついでだ。

『いくら?』
と聞いた。

『65000ウオン=6000円程度』
という。
『こい飲もう、』と怪しげな手招きをする。
見てるだけでも梅毒に感染しそうな感じだ。
エイズなど病気の塊?
『うわ~~~コリャいかん。』
なにやら、鼻がもぞもぞしてきた。
『鼻が欠けそう~~~~~。』

ぼくはいそいで通りを出て行った。


《エイズが怖くない人はどうぞ。韓国安いよ》

僕がこの間から泊まってる旅館(3000円弱、フヨでは2500円だった。きれい
な洋室で広い。日本のビジネスホテルの4~5倍はある広さ。)の前にもピンクチラ
シが置いてあった。
確か35000ウオン(3500円弱)と書いてあった?
これははっきりしないが。

なるほど?
ロシア人は6500円なのね。

新宿だと?
どんなババああ(日本人)でも1万5千円は言う。
歩いていると時々声をかけられる。
南米系だと2万5千円だ。
中国人、ベトナム、あたりもそのくらいだ。
ベトナム人で超きれいなのを見たことがある。
ロシア人?
新宿界隈では聞いたことがない。
居たらもっと高そう。

へ~~、韓国じゃ、そっちのほうも安いのね。
エイズになっても良い人は韓国まで行って試してみたらどうですか?
(決して薦めないよ。)

確かフサンには有名な娼婦街があったはず。
昔タクシーーで見学したことがある。
道の両脇にガラスウインドウのある店が軒を連ねていた。
エイズが蔓延しているキョウビ行く気にもなれなかった。

博物館を見学し、街の様子を見て回った。

つづく。


どう谷村sakaeiの裏通りルポ。
たまにはこんなのも良いでしょ。