! "<3f5aa565$0$260$44c9b20d@news2.asahi-net.or.jp>" という記事で
!     Sun, 07 Sep 2003 12:26:17 +0900 頃に wacky  さん は言ったとさ:

> KGK == Keiji KOSAKAさんの<bjcg1a$e0u$3@film.rlss.okayama-u.ac.jp>から

>>>> あとは、許容度をどの程度にみつもるかってだけでしょ?
>> 
>>> でしょ。^_^;
>>> つまり、喫煙の社会的許容度は*まだ見積もられていない*わけだよね。
>> 
>> 既に、大雑把には見積もってますよね?

> #大雑把というより根拠に欠ける身勝手な主張を繰り返しているという感じ。

という話に関連して、喫煙の迷惑要素と許容要素に関して少しまとめてみよう
と思います。
# 許容要素だけじゃ、あまり意味ないし。

例によって、起こってる現象を解析してるのであって、正当性については言及
していません。

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まずは、迷惑要素。

一般的な分類として、

Z1. 人の生命・財産にかかわること
Z2. 多数の人がかかわること
Z3. 仕事・家族・友人などの害になること
Z4. 健康もしくは生活における重要性に障害をもたらすこと
Z5. Z1〜Z4がおこるかもしれない恐怖
Z6. 好みの問題
Z7. その他、迷惑になること

というのを既に挙げてるわけですが、これを横目で見ながら考察してみると、

Z4として、煙草の煙の害についてはよく言われてることで、特定の疾患が原因
のことは置いといても、肺ガン、喉頭ガン、肺気腫などの死にいたる疾患や、
心拍数増加、血圧上昇、指先皮膚温度の低下などの急性症状などがあります。
このうち、慢性疾患に関しては、それなりに濃い煙を相当の頻度で長年吸わさ
れないとかからないようですが、可能性としてはあり得る。
とはいえ、Z4の要素は、家庭内や職場など以外では、そんなに大きなものでは
ないでしょう。

Z5として、上述のZ4への恐怖感および嫌悪感があります。たとえ少量であれ、
害のあるモノを自分の意図によらずして体内に取り入れるのは、避けたいと思
うのが普通でしょう。

Z6は個人差が大きいでしょうが、Z4やZ5から、嫌いに引っ張られる人は多いで
しょう。

このZ群に関しては、一番効いてるのはZ5じゃないかと思うんですが、いかが
でしょう?
# ヤニの問題や、火の問題、吸殻や灰の問題はとりあえず置いといて、煙の問
# 題に絞ってます。

さらに、二次的な迷惑要素の一般的分類として、

Y1. 頻度
Y2. 回避の困難さ
Y3. 被害への認識度

というのも既に挙げてます。

Y1は、人によって違うんでしょうが、私の場合は1日あたり数回、一回あたり
数秒から数十秒というところでしょうか。あと、1日一回程度、10分以上曝さ
れることがあります。

Y2に関しては、状況によります。
歩行喫煙を後から追うときには、喫煙してることを早期発見することが難しく
事前の回避はできないことが多い。
事後の回避としては、呼吸を止める、適切な風を起こす、その場を離れるなど
いろいろありますが、効果が大きいものほど犠牲も大きい傾向にあります。

Y3は、
Y3a. 今、影響が起こってるかどうかの認識
Y3b. その影響がどの程度の被害かの認識
の二段階に分かれます。
煙草の場合、独特の刺激臭から、Y3aは、かなり高いでしょう。
Y3bはZ4をどの程度認識してるかですが、煙草に関しては情報が溢れているの
で、それなりに高いでしょう。

さらに、Y3の高さから、Z5が増幅され、血中酸素濃度の低下、鼻孔内の乾燥、
頭痛の誘発、ストレス性疾患の誘発などがZ4に付け加えられるという、ポジティ
ブ・フィードバックがかかってしまいます。

ちなみに、対比スケールとして自動車の排ガスについて多少考えてみると、
Z群は、まあ、似たりよったりでしょう。
Y1は、はるかに大きく、Y2は同程度。
通常刺激臭がなく、ほぼ無臭であるため、Y3aがずっと小さく、Y3bは同程度。
Y3aが小さいため、煙草のようなポジティブ・フィードバックがかかりにくい。
結果として、迷惑度は煙草とほぼ同レベル、人によっては排ガスの方が迷惑度
が低いでしょう。

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で、許容要素ですが、A群は、

A1. 人の生命・財産にかかわること
A2. 公共性のあること
A3. 仕事・家族・友人などのためになること
A4. 生活における重要性のあること
A5. 趣味・芸術・美的感覚などのこだわり
A6. 嗜好・習慣など
A7. その他、情状酌量のネタになること

というやつ。

煙草に当てはめると、A6の嗜好ぐらいですねえ。
あと、A7として依存症があるかもしれないけど、自分の能動的選択の結果だっ
てことで同情を引きにくい。

もっと大きい許容要素がもしあったら、誰か紹介してください。

B群は、

B1. A群の要素をあまり損なわない範囲で迷惑の低減を努力しているか
B2. A群の要素を持ってることやB1の努力がどの程度理解されてるか

というものですが、
優良喫煙者はB1が高く、呆煙者、暴煙者は低い。その他の喫煙者はその中間。
B2はケースバイケースかな。

いずれにしても、A群がよわよわなので、B1が高い優良喫煙者といえども、実
際に迷惑度が充分下がらなければ許容されない。
# 努力だけじゃなくて結果がでないと。

自動車の排ガスに関しては、一般には、自動車そのものにA3やA4が強く認めら
れてます。A6なんてへろへろよりずっと大きいでしょう。
B1は自動車の製造段階でいろいろ対策が取られてますが、それはひとまずおい
とくと、優良ドライバーは高く、そうでないドライバーは低いという程度です
か。排ガスに限定していうと、エンジン等の整備不良、空ぶかし、アイドリン
グなどがB1と下げる要素ですね。
B2はケースバイケースかな。
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というわけで、煙草の煙と自動車の排ガスを比べると、迷惑度はほぼ同程度、
許容度は排ガスの方がはるかに上ということになると思いますが、いかがでしょ
う?
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KGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGK
KG  KGK (life name: Keiji KOSAKA), Dept. of Phys., Okayama Univ.        K
KG kgk@film.rlss.okayama-u.ac.jp http://film.rlss.okayama-u.ac.jp/~kgk/ K
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