mindows wrote:
> また、中国は、戦争勃発の恐れから、北朝鮮に妥協を促すべく対応
> している、との情報があります。
> 
> 「中国、中朝国境地域に15万兵力を投入」
> http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2003/09/03/20030903000029.html

これは、戦争への備えというよりも、難民流出への備えでしょう。北朝鮮へは中
国から石油のパイプラインが行ってますが、その事実は重いですね。これを止め
られると、北朝鮮の息の根が止まってしまう。石油備蓄がどの程度あるか知りま
せんが、それを使い果たせば戦争遂行すらできない事態になってしまいます。

いくら原子力があるからといっても、それを動力に動く自走兵器など北朝鮮は
持っていません。北朝鮮は将棋で言うと「詰み」寸前で、あとは、やけくそで
「王」が打って出るぐらいしか手がないのですが、そのときの「やけくそ」に核
兵器を使うぞと恫喝するのが関の山です。飛んでくるかもしれない核兵器への備
えのために中国が国境に15万人も兵を配備するはずはありませんから、やは
り、これは難民対策でしょう。

また、核兵器と言っても、何発もあるわけではないでしょうから、いちばん確実
に届きそうなところを標的にするしかないわけですが、それはもちろん北京では
ありません。遠くて命中しそうもないワシントンDCでもなく、おそらく東京、
ソウルのうちのどちらかを人質に取ることになるでしょう。「アメリカとの二国
間問題だ」と言い張っているくせに、ワシントンDCを標的からはずすのでは馬
脚が顕われてみっともないことになりますし、人質をとったのでは、それこそ
「ならず者国家」に落ちぶれてしまいますが、命中しそうもないものを打っても
しかたがない。なにしろ「やけくそ」ですから体面など気にしていられないし。

しかし、現実的に、そのどこかを狙って核弾頭を発射すれば、その次の瞬間に平
壌も消滅します。標的が日本なら、その後、日本は当然核武装するでしょうか
ら、それを嫌う中国は北朝鮮には核ミサイルを打たせることはないはずです。そ
もそも、中国が6カ国協議の開催国を買って出たのは、そのためですし。

> 韓国は、楽観しているとのことですが、政局は流動化して見えます。
> より強硬な民意が台頭しつつあるようですが、まだ誤差のうちか。

「楽観」というよりは、同じ民族としての「情」があるだけに、北朝鮮の恫喝や
哀願を受けると、動揺しやすいということでしょう。その「動揺」を「楽観」で
笑ってごまかしているといったところかもしれません。ただ、まわりにいる韓国
人に聞いてみると、ソウルに住んでいる人間がおどろくほど楽観的なのは確かな
ようです。東海地震が来そうな場所に住んでいる日本人と、ちょっと似た感覚か
もしれません。「まあ、今日明日は来ないだろう」と。

萩原@グリフィス大学