「波動関数は数学的実在だと考えます」を書いた小林@那須です。先の記事で
は名のるることを忘れていました。

また先の記事で単純な誤りを書いてしまいました。

>その振動は p=hν の式で物理的実在である運動量を規定しています。でも、
>この振動は物理的実在ではありません。別の、速度が二倍の座標系から見れば、
>運動量が二倍になります。すると振動数も二倍になってしまうからです。(相

「p**2/2m = E =hν」 であり、また「√二倍」に修正させてください。


>電波とか交流電流とかも複素振動なんだけど、どうします?

交流回路での複素数は、単純に便法で使われているだけです。フーリエ変換と
の相性が良いためです。交流信号が複素振動しているわけではありません。電
波の複素振動は不勉強で知りません。一般的ではないとも思います。

交流回路では複素数をなくして sin/cos 表記をすることも可能ですが、波動
関数では複素数をなくすことができません。[P,Q] = ih` と複素数が基本的な
ところで出てきてしまいます。自然自体が複素数を要求していると考えます。


>物理的実在とか存在物って、人それぞれにいろいろ思い込みがあって、
>勝手な仮定が入り込んでいるものなんだよね。いわく、

安易に哲学的な用語を持ち込んでしまうべきではないと思います。「物理的実
在」の言葉は簡単に定義できませんから。

でも波動関数には、

    ・直接に観測できない複素振動をしている
    ・波動関数の振動数が、等速運動する座標系からみたとき変わってしまう
    ・波動関数の遷移が光速を超えて瞬時に行なわれる

普通の物理量ではありえない性質があります。河野さんは、それでも波動関数
を物理的実在と考えられますでしょうか。

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小林憲次
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