こんにちは山岡と申します。

GNU Texinfo はマニュアルの作成、閲覧、印刷のための道具で、GNU ソ
フトウェア、とりわけ Emacs ではオンライン・マニュアルのために多
用されています。多くの場合、Texinfo の様式で書かれたマニュアルの
ソースを元に、makeinfo コマンドで Info ファイルを作成します。そ
れらのファイルは、Emacs で見る以外に適当な端末上で走らせた info
コマンドで見ることもできます。

ただし、最新の GNU Texinfo v4.8 [1] でも日本語のテキストはサポー
トされておらず [2]、US-ASCII といくつかの Latin-* を扱うことがで
きるだけです。綺麗にフォーマットされた日本語の Info マニュアルを
作るには、普通は Emacs が提供する Lisp のプログラムを使わなけれ
ばなりませんが、最新の GNU Texinfo に完全に追従してはいないので、
別の Emacs Lisp プログラム [3] を使って補うことが行なわれていま
す。

先日ひょんなことから、makeinfo の各国語対応を打診してはどうかと
Richard M. Stallman 氏から言われまして、下手な英語でメールを書い
て Texinfo の開発チーム [4] に送ってみました。しかし、一朝一夕に
できるわけはなく、丁寧な返事が返ってきましたが、予想通りの反応で
した。この経緯は、以下の url でご覧になることができます。

http://article.gmane.org/gmane.comp.tex.texinfo.bugs/2555
http://news.gmane.org/group/gmane.emacs.devel/thread=33908
http://news.gmane.org/group/gmane.comp.tex.texinfo.bugs/thread=2557

これらの中で Karl Berry 氏が書かれているように、各国語対応のため
の改良 [5] には門戸が開かれています。過去には makeinfo の日本語
化に取り組んだ方々がいらっしゃったことを私は忘れていないのですが、
今一度、挑戦してみようという奇特な方はいらっしゃいませんか?  残
念ながら私にはその能力がありませんが、テストなどで側面から支援す
ることはできます。さて、どなたか...

[1] ftp://ftp.gnu.org/gnu/texinfo/texinfo-4.8.tar.bz2
[2] 例えば日本語 EUC のソースを makeinfo でフォーマットすること
    は、一応可能です。しかし、当然ながら、行の幅詰めや禁則、ぶら
    さがり処理などは正しく行なわれません。
[3] ptexinfmt.el という名で、各種のパッケージ内にあります。
[4] bug-texinfo <at> gnu.org
[5] FSF への著作権の譲渡を行なう必要があります。