真木子です。

前回のヤミーはシロアリじゃなくオトシブミだって。そんなんわかるかい。

第3話「ネコと進化と食いしん坊」

○ここまでのハイライト
三題噺じゃなく、第1話も含めてのおさらい。

比奈に抱きつかれたアンク、こめかみに指をあてると、お兄ちゃんと呼びかけ
られた記憶が大量に出てくる。
《そういうことか》
アンクの腕を見てびっくりしている比奈の首を絞めるアンク。
駆け寄ろうとする映司だが、その前に比奈が怪力で投げ飛ばす。
手元には腕アンクが残った。
「おまえ、なんなんだ」
「キャーーッ!!」
比奈ちゃん、気絶。
「おい、こいつ人間か」
「あたりまえだろ! それよりおまえ、なに考えてんだよ。妹なんだぞ、あの
刑事さんの」
その刑事さんは、投げ飛ばされたままの恰好で転がっている(^^;
「だからだ。つきまとわれたらメダル集めの邪魔になる。消しといたほうが面
倒がない」
映司を殴り飛ばしてふたたび比奈に近づいていくと、大変だ〜と映司が騒ぐ声。
腕を海の上に突き出してオーズドライバーをぶら下げている。
「オーズに変身できないと、メダルが集められなくなる〜」
「よせ!」
「うん、その子から離れたらね」
指で舌打ちする器用な奴。
比奈は気絶したまま。とりあえずどこか・・・と考えて、比奈が送ってきたク
スクシエの写真を思い出す。

警察と野次馬が集まっている。駐車場の奥に、4体のグリード。
「僕たちグリードが封印されてる間に、人間たちも変わったんだよ。かなり面
倒くさくなってる」
「そうね。愚かさは同じみたいだけど。悲しいこと」
黒グリード(なかなか名前が覚えられんので、当分は色で(^^;)が象鼻を伸ば
しで乗用車を引き寄せ、中の人間を襲う。警官隊が発砲するが効き目なし。緑
グリードが飛び込んでいって警官たちをなぎ倒す。
セルメダルが足りなくなってきたと言い出す黒グリード。
「あなたは消費が速いから。ほら、分けてあげる」
青グリードの手から飛び出すメダルが次々と黒グリードの体へ。
セルメダルも集めないと、というわけで、黄グリードが名乗りを上げる。
「きっと簡単だよ。人間たちは変わったけど、その欲望も変わった。・・・と
てつもなく大きく、底なしにね」

中華料理店で、井坂先生並みに皿を積み上げている兄ちゃんがひとり。

今日はインドがテーマらしいクスクシエに、映司が比奈を運んできた。
アンクは屋根の上。
「映司のやつ・・・ただのメダル集めの道具が、なめた真似してくれる」
比奈は奥の部屋のソファに寝かされる。
「連れてきてありがとう。よかったら今度、お食事に来てね。ご馳走するから。
おうち、この辺に?」
「最近はこの辺ですかね。それじゃ」
最近?と首をかしげた店長、ふと気づいて飾ってある写真を手に取る。
「・・・まさかね?」
アラブのどこかで撮ったらしい写真の中にいる青年は・・・

水道でパンツを洗う映司。
「あんなお兄さんの姿見たら、ショック受けて当然だよな。会わせたくなかっ
たなー。なんて説明すりゃいいんだよ」
「だから消せば簡単なんだよ」
木の上から言うアンク。鳥怪人だからか。

大量に買い込んだ弁当で夕食中の大食い君に近づく黄グリード。
「その欲望、解放しろ」
額にメダルを投入すると、ヤミーは出てこないで本人と融合した状態に。

翌日、宅配弁当屋のトラックでがっつく大食い兄ちゃんヤミー。
メダルが溜まる音にアンクが反応。映司とともに駆けつける。
「こないだと全然違う。てか、人間だろ」
「中にいるんだよ。あれは人間に寄生するタイプだ。寄生した人間の欲望を暴
走させて、そいつをメダルにして溜め込んでるってわけだ。あれはまだまだ育
つな。もっと食わせてメダルでブクブクにしてから――」
「そんなの待てないね」
アンクがもてあそんでいたコアメダルを奪って変身。アンクは文字通り高みの
見物。
近づくオーズに、大食いヤミーは口から爆撃。
「おい、出てこいってば。戦えないだろう!」
「そいつは成長するまで出てこない。やるなら人間ごと斬れ!」
「そんなことできるわけないだろう!」
たまりかねたアンクが割り込んでヤミーに襲いかかる。それを止めるオーズ。
「約束したよな、人の命よりメダルを優先しないって!」
「知るか! いいかげん、どっちが命令する立場か覚えろ!」
ヤミーが2人を攻撃し、爆炎にまぎれて逃げた。
そこに到着する後藤君。乗ってきたバイクを自販機にする。
喜んで自分のメダルでバイクに変形させるオーズ。
「なんで戻す。タカにヤミーを追跡させるんだ」
「あ、そういうことか」
自販機に戻す。
「おい! メダルを無駄に使うな! 今の返せ、無効だ」
「1回は1回だ。消費したら戻らない」
オーズはタカ缶を購入(?)。
「悪いけど、ヤミー捜してくれる?」
アンクと後藤は睨み合っている。
「おまえ、何者だ。たかが人間が、なんでメダルの力を使える」
「おまえたちが眠っていたのは800年。その間に、たかが人間も進化したと
いうことだ。おまえたちグリードに対抗できる程度にはな」
銃を向ける後藤。
「ふん。進化ってのは、でかすぎる自信のことか」
落ち着け、と映司が割り込むと、後藤君は無言で去った。
「どういう人なんだろう。いつも助けてくれるけど」
「確かに変わったらしいなぁ。こっちにもその必要があるか」
なにやら記憶検索。

鴻上ファウンデーションでは、会長がそんなアンクの映像を見ている。
「今のところ、非常にいいバランスだよ、里中君。力はあるが技術と知識のな
いオーズを、我々ライドベンダーと、なんとグリードの1人が補完している。
メダルが増えるのに、これ以上素晴らしい環境はない!」
里中さんはメダルを積んで遊んでいる。
「後藤君には当分、監視とフォローを続けてもらおう。――さて! 今日が誕
生日の者は!」
いきなり粉をふるい始める会長。
「はい、総務に1人――」

泉刑事のマンションに向かうアンク。
「こいつは俺だ。つまり俺の家だ」
「違うだろ。てか、どうやってここが分かったんだよ」
「自由にできるのは体だけじゃない。頭の中身もだ」
意外にごちゃごちゃしてる泉刑事の部屋。
「調べないとな。セルメダル集めてる人間と、封印されてる間に無くなったコ
アメダル。・・・進化した方法で」
にやりとパソコンを見る。

「もっと食い物を・・・」
ふらふらと歩く大食い君。

クスクシエを臨時休業にして、比奈と話す店長。
「比奈ちゃんが会ったって人、やっぱりお兄さんじゃないんじゃないかな。比
奈ちゃんのこと、分かってなかったんでしょ?」
「でも、あれは確かに――」
そこに大食い君が乱入。
「食い物ー!」
知世子店長を突き飛ばし、手当たりしだい貪り食う。
それを外から見ているタカ缶ドロイド。

Yahoo! 風の検索サイトを見ているアンク。
「おい、壊すなよ」
「こいつの記憶を使えば、すぐに覚える。趣味だったらしいからな。妹に文句
言われるぐらいに」
記憶をチェック。
「なるほど。最近隠れて買った道具が、このあたりに」
iPhone 4 を発見。
他の部屋を見学する映司は、仏壇の写真に目を留め、沈痛な顔。
そこにタカ君が窓をつついて映司に合図。

店長に言われて比奈が警察に連絡しようとするが、大食いヤミーが襲ってきた。
そのとき、扉が開いて缶が転がってきた。
「食い物ー」
途中で引き返していく缶を追って、外に出ていく大食い君。
店長に命じられて扉を閉めに行った比奈、アンクの姿を目撃。

止まった缶に飛びつく大食い君。開けるとタコになり、墨を吐いて目つぶし。
映司が飛びついて羽交い絞め。目の前を飛ぶタカを食いたくて、体から半分出
てくるヤミー。
いいぞ、と思ったらアンクに邪魔された。放りだしたヤミーに食べ物を投げる。
「問題あるか。食ってるだけなら周りで誰も死なない」
「この人はどうなるんだよ!」
「これは自業自得だ。いいか、ヤミーのせいでこうなったんじゃない。この人
間の持ってる欲望のせいだ。欲望にまみれて死ねれば本望だろう」
大食い君の体が膨れ上がっていく。
メダルを出せと迫る映司を殴り飛ばすアンク。
「覚えろ! 命令するのは俺だ。言っとくが、ベルトを捨てたら、それこそ人
間は助けられない」
大食い君を止めようと生身で向かっていく映司だが、さんざん投げ飛ばされる。
「やめとけ、おまえの方が先に死ぬぞ!」
「それでも・・・それでも、何もできないよりは」
その時、ヤミーが分離、脱皮。スミロドン・・・よりは格好悪い(^^;
ネコヤミーの攻撃を必死で避ける映司。
「ちっ、またこのパターンか」
アンクが投げたメダルを掴み取って変身。剣はどこから出てくるんだ?
斬りつけるが、ポヨンという感じで跳ね返る。トラ爪も同様。
キックは効いた。メダルが飛び散る。
『スキャニング・チャージ!』
脚が変形。よりバッタに近くなったってことか。
高々とジャンプ。だが途中にコンクリートの柱が飛んで来て、それを砕きなが
らのキックはネコを倒すに至らず。
「カザリ、おまえだな」
姿を現す黄グリード。
「ふふっ、久しぶりだね、アンク」

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  小路 真木子(SHOJI Makiko)   shoji@kyoto-econ.ac.jp