正月早々投稿への異論。
 イラク駐留はイラクが安定するまで、最後まで責任をもつべきとのM氏の考え方には問題があると思う。
 イラクは大きく分けて3分割されており、一つは2大宗派による分割、今ひとつはクルド人問題である。
 即ち、民族の中でニ分割、宗派でニ分割されており、国土は地図を見て判る通り、第一次大戦頃の列強により人為的に固定されている。
 言わば植民地政策の名残の国土に人為的に居住させられており、国境の変更、分割を伴うものでなければ安定は望めないだろう。
 クルド人の自治、分離独立、所謂ペルシャ人即ちイランと同じ宗派の者の居住区域をイランへ割譲、残された部分がイラクの領土となる。
 此れで行くと、概ね現行の飛行禁止ラインに沿ってイラクは三分割される事になる。 

 現在、彼等が抱えている問題は宗派間対立、民族間対立であり、そして共通の問題は異国の侵入統治、資源略奪である。
 前半の問題は彼等自身の選択に任せれば良く、イランに併合しなくても分離した国家となれば良いだろう。
 問題は異国の侵入、資源の略奪行為であり、この事は米軍が駐留する限り解決しない。何故ならば米国こそが資源略奪を意図した侵略者であると認識されているからに他ならない。
 この様な状況で、軍の増強を行い、治安の安定を図っても一時しのぎに過ぎない。言わば嘘に嘘を重ね、罪に罪を重ねるに等しい。
 米国自ら、戦況は明らかに敗北と認めており、攻撃の理由とされた兵器類の存在が立証されなかった以上、自らの非を認めて早々に撤退すべきである。
 しかる後に、求めに応じて賠償を行うのが筋と思う。
 安定化に責任をと言っても、米軍の存在自体が混乱の元凶である。強盗に夫婦喧嘩の仲裁を頼めと言わんばかりの考え方には賛同しかねる。
 民生の安定の為には、本来自衛隊が行っていた様に、インフラの再構築、整備等を行い、しかる後に生産設備の進出などを行うのが望ましい。この面では日本が行える協力は多く存在する。
 少なくとも、白欧主義の標本の様な米国にはこの事は出来ない。 現状では新たな9.11が世界中で多発するだろう。
 民族の自主独立と宗派、宗教に介入する事は如何なる者も行うべきでは無い。自らのプライドと神を冒涜された人々の行動は火を見るよりも明らかである。