世界はグローバル化し、めまぐるしく変化しています。「ジャパン アズ ナンバーワン」といわれた時代は遥か遠くなってしまいました。アメリカの一極支配体制に対し、誇り高きヨーロッパはEU統合により、その主体性の堅持を具現化しつつあります。中国の台頭も目覚しく、そのGDPはG7の一部の国を上回るようになっています。日本の貿易額はアメリカより中国との方が大きくなっています。中国はアメリカやヨーロッパに多数の留学生を送り出しており、すでに、多くの優秀な人材が中国を支えるようになっています。中国の政治は将来を見据えた極めて重厚な政策に基づいているように見受けられます。

 日本はこのままで良いのでしょうか。明日、日本が滅亡するわけではないでしょう。しかし、政治的には勿論のこと、経済的にも世界は日本よりも中国に軸足を移し始めていないでしょうか。日本は世界から、そしてアジアから徐々に軽視されるようにならないのでしょうか。石油だけに拘わらず、アメリカや中国のわずかな動向に国全体が翻弄されるようになっています。幕末の頃のように「日本の将来」を憂う優秀な若き志士群が出てこないのでしょうか。「松下政経塾」に「松下村塾」に匹敵することを期待できないのでしょうか。

 今日、明日の解決策ではないかもしれませんが、今、日本が取るべき政策の一つとして、『アフリカの「救済」「教育」「農業の近代化」「諸産業の育成」に全面的に(アメリカの意思に支配されずに)協力させてもらい、「貧困」「債権放棄」「虐殺」「内戦」「テロの温床」を撲滅し、アフリカと「共生」「相互補完」を国是として目指す』ことが考えられないでしょうか。中国や東南アジアそしてインドに進出することは当面の経済活動として有りうべきことかもしれませんが、国家百年の計として、他国に抜きん出た『アフリカの救済』そして将来の『相互補完・共生』関係の構築は資源の乏しい日本にとって極めて重要な政策に成り得るのではないかと私には思われます。そして、『今』だからこそ、その価値が有効ではないかと思っております。