GDPなどは国民生活の豊かさを表すうえで最も重要な指標です。しかしこれらに問題が
ないわけでありません。市場取引の対象とならない生活活動は含まれない点です。
例えば主婦の家事労働はGDPに含まれませんが、お手伝いさんを雇って同じ作業
してもらうとGDPに含まれます。このように同等の行為でありながらケースにより計上されたり
されなかったりでアンバランスな面があります。
 次に生活環境や余暇など生活の質は考慮されない事です。
価値ある自然環境が損なわれたとしてもGDPには反映されません。これらの問題に対し
これを解決する為の試みがなされています。例えば公害や交通事故による損害等を考慮した
純国民福祉(NNW)経済活動に伴う環境破壊などの損失額を計算して国内純生産
から差し引いたグリーンGDP等の開発が行われています。
国内純生産(国民総生産(GNP)から固定資本減耗を差し引き新たに利用出来る生産物
の総額)との差額は主に大気汚染によるものです。もっともこのような指標は非市場
取引や生活の質を測るうえで主観が入りやすく測定方法の精緻化が課題です。
また、ひとつの指標だけですべてを測ることは不可能です。
限界を考慮に入れて経済を測る「ものさし」にすべきでしょう。