NISHIZAWA Yutaka <yutaka@somwinh.msi.co.jp> wrote in message news:<68znivegiy.fsf@somwinh.msi.co.jp>...
> kono@ie.u-ryukyu.ac.jp (Shinji KONO) writes:
> 
> > 使途が違っただけでダメだってのが法律でしょ?
> 
> 辻元は国から政策秘書本人に直接支払われた給与をくすねたのであって、
> 「これで政策秘書を雇いなさい」って渡されたお金を別の用途に使った
> わけではありません。 
> 使途が違うとどうたらこうたらはこの際「全く」関係ない話です。


(1)<…は国から政策秘書本人に直接払われた給与をくすねた>と評価される
   点に関して。

正確具体的な実際の払われ方をこの目で見たわけではないので払われ方に纏わる
事には直接触れることは控えますが、この点では警察はどう考えているかを「あ
るべき姿」とはとりあえず別にして検討しましょう。

辻本氏は実際に政策秘書を雇うことなく秘書を使っているごとく申告して秘書給
与を自分の活動資金に当てたとして起訴された。が、一方、田中(真紀子)氏は
現実には秘書なる者を使っていたから一部か全部かは別として当該秘書の手には
入らず田中氏に活動資金として渡った。結果田中氏は起訴はされなかった。これ
が事実だと思う。

以上を見る限り警察の考えは論者が言われるような単に「政策秘書本人に直接渡
されたお金をくすねた」と言う点に起訴の根拠を置く考え方はしていないことが
分かります。このような警察の考えを全て妥当あるいは全て不当とする必要は勿
論ありませんが、ぼくも警察同様この問題は論者の言われるような「秘書に直接
払われた給与をくすねた」ことのみを捉えて済む問題ではないと考えます。

(2)そこでとりあえずその問題は一旦ストップして、このような問題が起こっ
   たときにどういう「目的」をもって我々が検討すべきかを問題にしようと
   思う。

すなわち、このような事件を惹き起こしたとして辻本氏あるいは田中氏をどうし
たいのか。実はここにこそ焦点がると言うべきでしょう。このような捉え方は所
謂<政治>的手法であって起訴すなわち<法的>手法ではないと考えているとす
ればその点で既に誤り。法的説明は客観性を匂わせるために結論としてどういう
処理になるかを早々と語ることはしません。論理の必然的結果だとして結論付け
るそぶりを見せますが、実際はそうではなく物事についての「価値判断」すなわ
ち結果を「どうしたいか」が先にあるのです。

したがって我々もまずはその点から入ったほうがわかりやすいでありましょう。
そこで、結果すなわち価値判断ですが、この点になると百人百様で様々だと思う。
ここにおいて様々であるからこそ色んな意見が出されある人から見ればこんな理
屈も分からないの、となっていたのです。ところが的外れな些細なところに執着
した議論も多数有ったはずでそれを整理することが必要になるし、ここに議論の
大分を割くべきなのです。

さて、あなたは秘書給与を流用した国会議員をどうしたいですか?

・こんなことをする議員は仕事振りはともかく填補賠償もさることながら資格剥
 奪まで持っていかなければならない
・国への損害を補填するだけでよく、身分剥奪まで至らないようにしたい
・損害補填も国会議員の身分剥奪にいたることも反対

(3)以上が大まかに見た場合のバリエーションでありましょう。議論で語られ
   る理由や根拠は全て以上の結論を導くためのものだったのです。この結論
   のどの立場に立つかで殆どの議論内容は決まってくる。試みにぼくの考え
   を申し上げましょう。

赤裸々なぼくの価値観を入れて主張しよう。ぼくは二番目の<国への損害を補填
するだけでよい>との立場にたちます。その理由はこのたびは民社党のつ辻元氏
が槍玉に上がっていただけだが、これがもし、自由民主党のお歴々に降りかかっ
てきたらとんでもない。こう考えたわけです。例えば嘗ての田中紘一自由民主党
議員は確かに賄賂という悪行をやったけれども何故議員の辞職まで追いやられな
ければならなかったのかであります。それはそれ、これはこれでありますまいか。
見てください。今の自民党議員を。もっと広く国会議員全般を見回しても彼ほど
の有能な議員はいないかいても数えるほどであります。要するに国家全体の利益
を大きく損なう結果になったといっても過言ではないのです。このような結果に
なる国民の意識を変えてもらいたい。これがぼくの根底に有る考え方なのです。
湯水を流すのに赤子まで流してどうすんだ!

        <安っぽい潔癖症よさよーなら>

同様に、やや邪魔な存在の議員だとしても辻元氏のような議員がいるからこそ他
議員はうかうかして入られないところが有るわけで、少なくとも努力していない
議員への発奮材料としての意義が有ると考えるわけです。しかも、辻元氏が議員
を努めているからといって殆ど政局などには影響を与えない、これも理由になっ
ていることは言うまでもありません。

(4)以上が決まれば説明なんかどうにでもなる。辻元氏と田中氏との扱いが理
   由にならない理由で異なったことがそれを物語っている。

たとえば、国から政治家であることを認められ、しかも現実に政治活動の只中に
ある存在を政治活動を本業としない一般人に当てはめるべき詐欺罪等で一般人と
同様の扱いをするのは妥当でない。確かに政治家には二つの側面がありそれは固
有の政治家の側面と一般国民の側面で有る。その一般国民という側面では一般人
と同様の責任を追うべきは当然であるがもう一方の側面も無視できない。この無
視できない側面によって一般人的側面の責任がいくらか制約を受けることは強ち
不当とは言えない。特に、それがストレートに議員資格剥奪まで結び付かなけれ
ばならないとすることにはいささか問題が有り、それを避ける配慮が必要になる。
現に逮捕等に関し既に憲法自身が議員と一般国民の扱いを変えている。

政策秘書の給料を国費でまかなうとした理由は政治献金制度に制約を加えた代償
でも有る。それでも献金を集められる政党であれば実のところ秘書給与制度など
あっても無くても大差ないことでは有るがそれでは国会議員に憲法が予定する健
全な活動を期待することが出来にくく、ひいては国家全体の不利益にも繋がる。
この趣旨からすれば本来は具体的に見て国費を払われるべきものであるが国は一
率に払う方策に出た。そこで採られたのが一人頭900万円という基準に過ぎな
い。たしかに法律上の外形は個人に払われるようにはなっているがそれは決して
個人に職を与えようとした趣旨ではなくむしろ国会議員に対する一種の<社会保
障>である。

かくして、辻元氏の架空秘書による所謂流用は必ずしも実際に雇い入れた場合よ
りは出費が少なくて活動が十分行われた可能性が高いからその限りで分割による
国への返還を要求せざるを得ない。そしてその処置を誠実に実行する限り逮捕は
行わない。

以上です。


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ちり〜ん、チリチリちりり〜ん

KENTAROUですた