"Muraki" <muraki_n@doglover.com> writes:

>       ノーベル賞 国別受賞者数
> 
>       アメリカ 278
>       イギリス 93
>       ドイツ 53
>       フランス 50
>       スウェーデン 29
>       旧西ドイツ 23
>       スイス 20
>       旧ソ連 16
>       イタリア 14
>       オランダ 14
>       デンマーク 13
>       日本 12
>            以下省略  
>       (受賞者の国籍が2カ国にわたる場合は、両方の国に入れた)
> 
> これって、自慢できる数字なんでしょうか。アメリカに比べたら月とすっぽんではな
> いでしょうか。

まず、アメリカは、第2次世界大戦以前は決してノーベル賞授賞者がたくさん
いる状況ではありませんでした。

第2次世界大戦以前のアメリカの優秀な物理学者といえば、
ギブス
コンプトン
マイケルソン
ぐらいでしょうか。

第2次世界大戦というか、その直前からナチスドイツのユダヤ人迫害とその余
波で多数のヨーロッパの学者がアメリカに渡っています。

アインシュタイン
インフェルト
ウィグナー
シラード
テラー
フェルミ
フォン・ノイマン
ベーテ
パウリ
ボーア
メイヤー

イギリス亡命組は

シュレディンガー
ボルン

スウェーデン亡命組は

リーゼ・マイトナー

ソ連 --> アメリカ亡命

ガモフ

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現在のアメリカ科学の勃興の大きな要因としては、第2次世界大戦前後のヨー
ロッパからの亡命が大きな要因でしょう。
# 無論、その時期までに、教育研究機関はそれなりに整備されていますが。

それから中国出身のアメリカ国籍の物理学者もいます。
ヤン、リー
直接中国大陸から亡命したわけではないに知ろ、本国では実力伸ばせなかった
でしょうね。

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ついでにいえば、
>       (受賞者の国籍が2カ国にわたる場合は、両方の国に入れた)
の定義はなんでしょうか?

アインシュタインはドイツ生まれ、スイスの大学で学び、ベルン特許局に勤め
ていた時に特殊相対性理論、光量子仮説、ブラウン運動。固体比熱の理論など
だし、ドイツの教授になって一般相対性理論を完成、1933年ナチスに追放され
ています。
かれは、ドイツ、スイス、アメリカでノーベル賞授賞者にあげられているわけ
でしょうか?

無論、上記にあげた亡命組の人々は少なくとも2カ国以上の国籍をもっていま
せんか?
# 同時に2重国籍はないにせよ。

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> 英、独、仏から見ても明らかに低いでしょう。

平和な時にもヨーロッパ内で学者は渡り歩いてますからね。
>       (受賞者の国籍が2カ国にわたる場合は、両方の国に入れた)
などといえば2重カウントされそうな。

それから、
>       スウェーデン 29
などみれば、ノーベル賞選考委員会をヨーロッパ内で牛耳っている要素、当然
あるでしょう。

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私は、日本の学者共同体が、同僚の評価を十分していない要素も大きいのでな
いかと思います。

湯川博士のノーベル賞授賞をノーベル賞選考委員会にはいっていた長岡半太郎
博士、推薦していませんでした。むしろ他の国の学者の推薦です。

日本のノーベル化学賞、4人授賞していますが、少なくとも3人までは日本国内
の化学学会賞授賞していません。

日本人の社会(アカデミー含む)が、日本人学者の仕事の評価積極的にしなけ
れば、当然ノーベル賞授賞者も減ります。
これには、良い業績あげた企業内研究者に対する処遇といったことも含まれます。

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Kiyohide NOMURA
Department of Physics,
Kyushu University,
812-8581 Fukuoka
JAPAN

e-mail:knomura@stat.phys.kyushu-u.ac.jp
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TEL,FAX:+81-92-642-2566
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