安全保障条約の意義
凡そ近代国家に於いて一国の安全を単独で確保された事例は稀有と思う。
永世中立のスイスを例に中立であれば、安全を保証されると言われる人もいるが、スイスの永世中立は列強の狭間での苦肉の選択から始まった。以後中立である為には多くの努力を行い、中立で有るが故の国際的な価値観を認められるに至った。
さて、日本は今から中立で居られるか?
冷戦時代に西側についた事は、講和条約の早期締結の為には必要な選択であったとすれば、今更中立は有り得ない。
既に大陸間弾道弾が常識の時代に当時程の戦略的位置では無いにせよ、米ロ両国から見れば前進基地としての重要な場所に位置している。 中国に取っても、日本列島、台湾、フィリピン、ミクロネシアと続く包囲網は、さぞうっとうしいものだろう。
日本から米軍が撤退すれば、安全は保てると考えるには幾つかの条件が整う必要が有る。
先ず、日本人の男子の多くが徴兵に応じる事と即戦力として役に立つ技能を保持し続ける事が絶対条件となる。必然的に兵役制度が採られ、兵役後には一定期間定期的な訓練を必要とする。 此れは特別な事でなく、中立国のスイスでさえ行っている事であり、スイスではライフルを各家庭に配備し、一定の集落には機関銃、砲すら配備している。
次に職業軍人である自衛隊の装備の多くが純国産で、敵地攻撃能力有する事と継戦能力が飛躍的に少なくとも数年は耐える事、資源特に石油等の調達が継続して行える事等の条件がある。
当然、効率的な攻撃を配慮すれば核ミサイルの配備も必要だろう。
ハリネズミの様に攻撃した側が諦めるだけの装備と能力は備えなければならない。
当然の事ながら近隣諸国は日本は再武装に向かうと大きな警戒をするだろうし、西側、特に米国に取っては有る意味最も警戒すべき仮想敵国となるだろう。
国内に外国軍が駐留する事は好ましい事では無いが、一国で自国の防衛が充分に行えない現時点では、即座に安保条約破棄は理想論に過ぎない。
先日米国空母が中国原潜の魚雷射程内で航行し、ロックされたが、米軍も決して確実ではない。常に相手も進歩している事を念頭におくべきだろう。
先ずは、自衛隊を取り囲む大きな制約を取り除く事から始めて行かなければ、条約破棄には至らないだろうし、武器輸出禁止などは先ず廃棄し、自動車と同じ様に戦闘機やミサイルを量産しなければ国防産業は育たないだろう。
大きなリスクと思うが・・・・
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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