コチシュ/ハンガリー国立フィル/ラーンキ:ペトルーシュカ,バルトークP協1
2007.01.12 Palace of Arts, Bartok National Concert Hall (Budapest)
Zoltan Kocsis / Hungarian National Philharmonic Orchestra
Dezso Ranki (P-2)
Artists from the Budapest Puppet Theatre (Puppet Play-3)
1. Tchaikovsky: Tempest, Op. 18
2. Bartok: Piano Concerto No. 1
3. Stravinsky: Petrushka (with puppet performance)
昨日は「ワルキューレ」に続き「ジークフリート」を見に行く予定が,
娘の急な発熱のため,あえなく断念。しかし気を取り直し,本日は
かねてから楽しみにしていた国立フィルの演奏会です。ハンガリーが
生んだ往年の巨匠,ヤーノシュ・フェレンチク(1907.1.18-1984.6.12)
生誕100周年記念演奏会ということに,いつの間にか,なっていました。
国立フィルでは珍しく,チケットは早々に売り切れており,立ち見席の
当日売りには長い行列ができていました。一つはラーンキの人気ですが,
もう一つ,メインの「ペトルーシュカ」が人形(パペット)劇付きという
ことで,多数の学童集団および子供連れ家族が見に来ていました。
ラーンキのピアノにコチシュ/ハンガリー国立フィルという組み合わせ
でのバルトーク1番は,昨年3月に聴いた「バルトーク生誕125周年記念
演奏会」と同じです。ピアノの周囲に打楽器群を配置するという仕掛け
も全く同じ。ラーンキのピアノは超精巧でしたが,(打楽器のアタックを
強調するわりには)オケ伴奏のリズムが悪く,何となく引きずった感じ
になっているというのも,前回から変化がありませんでした。ただし
今回はパペットショーの舞台が最初から出来上がっていましたので,
ステージ上に雛壇がなく,背面の反響板もない状態での演奏で,ピアノ
の音がより突出して聴こえていました。やっぱりラーンキはどんなに
早くて変態的なパッセージでも音の粒がぴっちり揃っていて,上手い!
の一言です。
さて,メインではステージが下に沈んでオケピットになり,オペラや
バレエの上演のときと同じかっこうになりました。パペットは素朴で
無表情なデザインでしたが,下から棒で操るタイプ,上から糸で操る
小サイズのタイプ,影絵用など,いくつもバリエーションを用意して,
場面に応じて使い分けていました。劇は「ペトルーシュカ」オリジナル
のバレエのプロットをほぼそのままなぞっていましたが(元々が魔術師
に操られるパペットのお話ですし),子供向けにおどろおどろしさを
一切排除していました。パペットの動きや場面転換が単調なこともあり,
これが意外と退屈して,途中で眠くなってしまいました。やっぱり人間
が演じるバレエで是非見てみたいものです(実演はおろか,映像化され
たものも一切見たことがないのですが)。演奏は,トランペットがソロ
でちょっと危うい箇所がいくつかあった他は,なかなか立派なもの
でした。こういう試みも面白いですが,今日のコンサートで言えば,
人形劇はなくてもよかったかなと。なお,スコアは1911年版を使って
いるようでした。
余談ですが,ケレメン・バルナバーシュとコカシュ・カタリンの人気
ヴァイオリニスト夫婦が,まさに二人を足して二で割ったような顔を
したかわいらしい娘さんと一緒に聴きに来ていました。このお嬢さんも,
間違いなくもうすでにヴァイオリンを仕込まれてるんでしょうなー。
ケレメンは客席でイヴァーン・フィッシャーとおぼしき人と立ち話を
していましたが,よく考えるとフィッシャーがコチシュの演奏会に来る
はずはないので(現在激しく仲違い中のため),よく似た他人だったの
でしょう。お兄さんのアーダーム・フィッシャーとも顔が違うようで
したし。その人は演奏会終了後ラーンキとも立ち話していましたので,
業界関係者だろうとは思いますが。
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はっしー@ぶだぺしゅと 演奏会備忘録
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