2007.01.07 Hungarian State Opera House (Budapest)
Janos Kovacs (Cond), Viktor Nagy (Dir)
Janos Bandi (Siegmund), Ferenc Valter (Hunding)
Laszlo Szvetek (Wotan), Maria Temesi (Sieglinde)
Judit Nemeth (Brunnhilde), Eva Panczel (Fricka)
Erika Gal (Grimgerde), Bernadett Wiedemann (Schwertleite)
Veronika Fekete (Helmwige), Eszter Somogyi (Gerhilde)
Maria Ardo (Ortlinde), Gyongyver Sudar (Waltraute)
Ildiko Tas (Siegrune), Jutta Bokor (Rossweise)
1. Wagner: Die Walkure

ハンガリー国立歌劇場の新年は「指環」で明けるのが恒例です。昨年見た
「ラインの黄金」がしょぼい演奏とよくわからない演出だったので恐々と
しながら「ワルキューレ」に臨んだのですが,なかなかどうして,コヴァ
ーチおじさんの指揮では今まで聴いたことがないような堂々として起伏に
富んだ緊張感ある演奏に驚きました。よっぽど主力奏者が勢揃いでもした
のでしょうか。歌手陣も主役どころは皆豊かな声量で熱のこもった歌唱。
文句の付け所がありませんでした。この日の聴衆は皆さんたいへん満足
して帰ったことでしょう。ジークリンデとブリュンヒルデ(ついでに言う
とジークムントも)が恰幅良すぎる体格だったのも,まあワーグナーでは
ご愛敬なのでしょうね。

この日,フンディンクを歌うポルガール・ラースローを一番の目当てに
していたのですが,前日のリサイタルで腰を痛め入院したとかで,配役表
の印刷も間に合わないような直前でドタキャン。最初彼のキャンセルを
知らなくて,フンディンクが出てきてすぐに,前に見たポルガールとは
声も頭髪も鼻の形も違うので「あれえ?」と思ったのですが,メイクが
強烈すぎて確信が持てず,半信半疑のまま最後まで見てしまい,後で隣席
のおねーちゃんにキャンセルの事情を教えてもらいました。代役の人も
よくがんばっていましたし,元々フンディンクの出番は少ないので全体と
して問題はなかったのですが,やっぱりポルガールの渋いバスが聴きた
かったので,残念です。また,第3幕の開演前にアナウンスがあり,
(ハンガリー語だったので再び隣席のおねーちゃんに教わりました)
「舞台装置の故障で場面転換ができないため第2幕の舞台をそのまま使い
ます」ということで,トラブル続きの上演でした。もっとも「指環」の
場面設定はほとんどが岩山か川岸なので,ステージ上に岩さえあれば
それらしい雰囲気になり,違和感は全くありませんでしたが。

それにしてもワーグナーは長い。私の時間感覚とは根本的に合いません。
前にウィーンで見たときはまだ字幕に英語を選べたのですが,今回は
ドイツ語の歌詞もハンガリー語の字幕も私にはちんぷんかんぷんなので,
あらすじが頭に入っているだけでは,延々と続く歌のかけ合いが,まあ
長いこと。それでもこの日はオケの演奏に力がありましたので,何とか
飽きずに最後まで聴けました。残り2つも同様なテンションだと良いの
ですが。

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はっしー@ぶだぺしゅと 演奏会備忘録
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