ハンガリー国立歌劇場(エルケル劇場):ナブッコ
2006.12.17 Erkel Theatre (Budapest)
Geza Torok (Cond), Andras Miko (Dir)
Anatolij Fokanov (Nabucco), Istvan Kovacshazi (Izmaele)
Kolos Kovacs (Zaccaria), Szilvia Ralik (Abigail)
Erika Gal (Fenena), Tamas Szule (Archbishop of Baal)
Zsolt Derecskei (Abdallo), Ildiko Ivan (Anna)
1. Verdi: Nabucco
今シーズンのエルケル劇場唯一のプレミエです。15日の初日の
メンバーをAグループとすればこちらはBグループですが,Aの
方がゲオルギーナ・ルカーチ一人突出しているのに対し,こちら
のBはフォカノフ,ラーリックといった芸達者な歌手達をバランス
良く配置し,指揮もコヴァーチのおっちゃんではなく小粒ながら
小気味よい演奏を聴かせるトゥルクだったので,期待通りなかなか
素晴らしいパフォーマンスでした。歌手陣および合唱の気合いが
ハンパじゃなく,オケも今まで聴いたエルケルの公演では最高に
良く,迫力満点でした。会場もやんややんやの大喝采で,有名な
「行け,我が思いよ,黄金の翼に乗って」はアンコールに応えて
再度演奏していました。バーンク・バーンの時ですらアンコールは
歌わなかったのに。やはりプレミエのテンションは高いですね。
舞台演出は,抽象画のような紋様の背景が多少シンボリックな印象
でしたが,衣装はいかにも古代バビロニアらしい派手なもので,
たいへん華やかでゴージャスな演出でした。ラーリックさん,
幕ごとの衣装替え,ご苦労様でした。彼女の鬼気迫るエキセント
リックな絶唱は,いつにも増して劇場に響き渡っておりました。
ところでこのエルケル劇場,今シーズン開幕直前に建物の老朽化が
問題になり,倒壊の恐れもあるとのことで,安全が確認されるまで
9月いっぱい閉鎖されており,10月以降も公演が当初の予定より激減
させられておりました。国立オペラ座のように肩肘張らず,市民が
気楽にオペラを楽しめる場として長年親しまれていたこの劇場も,
今後補修工事のスポンサーがつかなければ今シーズン限りで閉鎖と
いう措置もあり得るそうで,外国人の私にもそれはちょっと寂し
過ぎる気がします。求む,スポンサー!
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はっしー@ぶだぺしゅと 演奏会備忘録
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Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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