怪談



講談師「草木も眠る丑三つ時〜〜〜」

       ・・・

講談師「その時墓地のどこからか赤ん坊の泣き声が」

ギャルの声「エーーッ」

講談師(そうだ、今日はいいのりだ)
   「盲の坊主が声のする方に向かって一歩一歩近づいてゆくとぉぉぉっ」

ギャルの声「キャ、ヤダヤダ」

講談師(いいぞ、いいぞ)
   「と、」(Pause)
   「赤ん坊の声がぴたっと」(Pause)
   「止んだ」

(・・・・)

講談師(かたずをのんでるな。やったぜ、ベイビー)
   「ゴ〜〜〜〜〜〜〜〜ン」(18番、鐘の音)
   「問題の刻がやってきた」

ギャルの声「キャアッ、ヤメテヤメテッ」

講談師(感度が良すぎるな、局で用意したサクラかな。
    俺もこんなもんでいい気にならずに慎重にやらなければ)

講談師「ん?」

講談師「あれ?」

講談師「おれ、今楽屋で本番前のリハーサル中」

講談師「あれ?」 キョロキョロ

講談師「あれ?」 キョロキョロ