第一種低層住宅地の高さ制限・・・10m

なんともさっぱりと決まりいい数字であることか。フランス人の決めた1メートルの
単位が10個。わかりやすい数字である。

あれ? 日本人ってフランス人みたいな生活しているのか?

当たり前であるが、日本のライフスタイルは違う。なのになんでそんな基準を?

ところで人間の大きさにもとづく生活空間はそんな決まりのよい数字では表現できな
い。

日本の住宅は狭い。だから三階建てで、できるだけ天井を高くして容積を増し、
空間を大きくし、息苦しさをなくそうとするとこの10mというのがどうも中途半端
な数字なのである。

ただ行政の無責任な体質から適当に10mと、決まりのよいところで決められている
わけである。 あと500mmあればちゃんとしたものができるのに・・・・と思って
も、それじゃ違法建築になってしまうわけである。

肥満の多い現代人がゆったりと乗れる5ナンバー普通車を設計しようとすると、どう
しても
側面衝突に対する強度を十分に保つだけのドアの厚みを持たせられない・・・これも
1700mm以内という、行政が適当に決めた決まりのいい数字だからである。

あと20mmあれば十分な強度と、居住性の両方を持たせられるとしても、このいい加
減に決められた数字のために無理に厚みを削らなければならない。人間工学に基づき計算
された数字ではなく、すべて行政が勝手に見切りのいい数字で線を引いているためである。

唯一最近の軽自動車の車幅の規格が従来の1400mmから1480mmと、決まりのい
い100mm代だけで終わってない、より現実的、合理的な数字に改められた程度か・・・・

尺貫法(インチ法も含む)は自然な人間工学に基づいて生まれた基準である。
現実、優秀な大工や建築屋はいまでも事実上尺貫法で人間工学に基づいて
現実の人間に適合した建築している。 よその国の、フランスのわけのわからない
基準で日本の住宅を建てたりはしない。