仕様です



 某中華料理店。
店長は元大手ソフトハウスのSEだったが、
辞表を書かされ(本人によると希望退職)、
現在は料理人にして店長という異色の経歴。

客 「おい、
   この料理、蠅が浮いてるぞ!」

店長「仕様です。
   蠅はこの料理の仕様の想定の範囲内です。
   よく味わって食べてください。」

客 「・・・・・・・・」



客 「おい、
   ゴキブリが沈んでるぞ!
   しかも、まだ脚が動いてる。」

店長「仕様です。
   ゴキブリはこの料理の仕様の想定の範囲内です。
   よく味わって食べてください。」

客 「・・・・・・・・」



客 「おい、
   人の指が入ってるぞ!」

店長「仕様です。
   人の指はこの料理の仕様の想定の範囲内です。
   よく味わって食べてください。」

客 「この野郎、ふざけんな!」

駆けつけた店の若いもん達
  「店長、どうしましたっ。」

客 「う、助太刀とは卑怯だぞ。」

店長「仕様です。
   助太刀は料理人の仕様の想定の範囲内です。

ポケットから黒光りのする物を取り出した客。
ズド〜ンッ。

店長「う、飛び道具とは卑怯だぞ。」

客 「仕様です。
   飛び道具は客の仕様の想定の範囲内です。」