国家の意志として対立を覚悟するというのは、実に大変
なことなのです。アメリカですら、テロで数千人も犠牲
者が出ましたね。国家の第一義的な責務は国民の生命と
財産の保護ですから、2001年9月11日に、アメリカは
国家としての責務を果たすことができなかったといえま
す。

戦後のアメリカと日本を国民の視点から比較すれば、ア
メリカの方が遥かに多くの国民の血を流しています。し
かも、国策の正当性も疑わしく、ベトナム戦争は結局ア
メリカ国内からの反対で敗北し、東西対立もまたアメリ
カの力ではなく内部からのソビエト崩壊によりあらかた
解決しました。ソビエト崩壊を演出したのは、国家の意
志や軍隊ではなく、東欧にカネと自由を持ちこんだジョー
ジ・ソロスでした。

拉致問題に対する対処の悪さについては、もちろんのこ
と、改善の余地はあります。しかしながら、アメリカと
比較すれば、日本は遥かにうまくやってきたのです。

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