いいじまです。

> > まあ、建前はそうなんですが、今は消費者契約法があるので、約款類の内容に
> > よっては、同法を根拠にして約款にない便宜を要求される可能性もあります。
> 
>   「約款にない」ことなら、そういうこともあり得るでしょう。

ちょっとニュアンスが違いますね。「約款にない便宜」というのは、「約款が想
定していない便宜」だけではなく「約款に反する便宜」を含むつもりでした。


>   しかし、本件は、約款に書かれていることですよね。
>   約款には、「乗車経路のとおりのきっぷを買わなければならない」という旨
> の記述があるはずですよ。

そのとおりです。しかし、首都圏には「近距離の乗車券は最短距離で計算する」
という別の規定があります(大都市近郊区間制度)。回数券や定期券の場合にそ
れと混同するのはやむをえないでしょう。

湘南新宿ラインの経路が西大井→品川→新宿→田端→赤羽として計算されること
は、一般に手に入る範囲の資料には書いてありませんし。あえて言えば時刻表の
該当ページのキロ数の数字から推定できるくらい。

>   嶋田サンの記事にあるとおり、きっぷを買うという行為(鉄道会社の側から
> 見れば、きっぷを売るという行為)は、旅客と鉄道会社との間で旅客輸送の契
> 約を結ぶ行為です。
> 
>   通常、甲と乙とが契約を結ぶ場合、その約款は、甲と乙の双方が読んで同意
> すべきでしょう。

大原則はそうです。しかし、大抵の場合には事業者と消費者とが対等でない上に、

・消費者が約款をよく読まずに契約する
・事業者が一方的に決めた約款を消費者は拒否できない

ので(鉄道の場合は両方に該当)、一定の条件を満たせば契約を無効にできる
(正確には「無効」と「取消」のどちらだったか…)、消費者契約法という強行
法規が作られることになったのです。

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飯嶋 浩光 / でるもんた・いいじま   http://www.ht.sakura.ne.jp/~delmonta/
IIJIMA Hiromitsu, aka Delmonta           mailto:delmonta@ht.sakura.ne.jp