Path: ccsf.homeunix.org!ccsf.homeunix.org!news1.wakwak.com!nf1.xephion.ne.jp!onion.ish.org!gcd.org!news.yamada.gr.jp!newsfeed.media.kyoto-u.ac.jp!oix.u-ryukyu.ac.jp!u-ryukyu.ac.jp!ie.u-ryukyu.ac.jp!gama.is.tsukuba.ac.jp!nadesico.cc.tsukuba.ac.jp!hagi.cc.tsukuba.ac.jp!not-for-mail From: Yuzuru Hiraga Newsgroups: fj.education.math,fj.sci.math Subject: Re: =?ISO-2022-JP?B?GyRCPEI/dDJyISJKI0FHP3RKP0xMGyhC?= Date: Thu, 10 Mar 2005 17:08:31 +0900 Organization: A poorly-installed InterNetNews site Lines: 87 Message-ID: <4230007F.2020705@slis.tsukuba.ac.jp> References: <41F50B2E.7060401@slis.tsukuba.ac.jp> <41F5E48A.1060206@slis.tsukuba.ac.jp> NNTP-Posting-Host: dhcp5-117.slis.tsukuba.ac.jp Mime-Version: 1.0 Content-Type: text/plain; charset=ISO-2022-JP Content-Transfer-Encoding: 7bit X-Trace: hagi.cc.tsukuba.ac.jp 1110441881 9507 133.51.5.117 (10 Mar 2005 08:04:41 GMT) X-Complaints-To: news@hagi.cc.tsukuba.ac.jp NNTP-Posting-Date: Thu, 10 Mar 2005 08:04:41 +0000 (UTC) User-Agent: Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja-JP; rv:1.0.2) Gecko/20030208 Netscape/7.02 X-Accept-Language: ja Xref: ccsf.homeunix.org fj.education.math:123 fj.sci.math:22 ぷらとん wrote: >>>何年か後には高校教育で複素平面が復活するでしょうが、そのときは「複素数平面」 >>>という用語ではなく、「複素平面」という用語で復活してほしいものです。 これについては別の場所(東京出版の掲示板)に書きましたので、 それを転載します。関連する話題もスレッド周辺にあります。 記事そのものの URL は:  http://rforum.rakuten.co.jp/?act=viewmsg&cid=100081&fid=16105&mid=4125 掲示板は:  http://rforum.rakuten.co.jp/?act=cattop&sid=2&cname=tokyo-shuppan で、2005/02/21 開始のスレッド、今なら:  http://rforum.rakuten.co.jp/?act=cattop&sid=2&cname=tokyo-shuppan&p=2 からアクセスできます。 下にもあるように、「複素数平面」は文科省の専売特許ではなく、 少ないとは言え、それ以外にも(また以前から?)の用例はあります。 文中にあるように京大は毎年のように「複素平面」に拘っていて、 文科省への反旗なんだろーか?(下記 URL の数学(文系・理系の各問題3):  http://www.yozemi.ac.jp/nyushi/sokuho/sokuho05/kyoto/zenki/index.html ============================================================================= > 「複素数平面」という言葉は、悪い評判しか聞かないのですが、高木貞治先生の > 「改訂代数学講義」では「複素数平面」となっています。手許の本は、昭和23年 > 初版、昭和36年改訂9刷、というもので、旧漢字とカタカナで書いてある代物 > です。 なるほどそうですね。  # 私の手元になるのは 1965 年の改訂新版(の 23 刷)で、  # それはすでに高木先生が 1960 年に亡くなられた後のものですが、  # 現代かなづかい、当用漢字、ひらがなになっていて、  # それは改訂新版序に述べられています。 (「解析概論」でどうなっているか見たけど、「z 平面」しか見つからなかった。) > ですから、「複素数平面」という言葉は旧課程のときに生まれた訳では > なく、それなりの由来があるものだと思われます。案外、単に言いにくいから > 「複素数平面」が「複素平面」に縮まった、なんてことではないのでしょうか。 高木書の索引には「複素数平面 Komplexe Zahlenebene」となっています。 ちょっと謎解きになりそうなものとして、齋藤正彦著:「数学の基礎」 (東大出版会)は、本文では「複素平面」ですが、索引を見ると 「複素平面 complex (number) plane」で number がカッコつきで入ってますね。 その number の有無が訳語に反映したということ? もっとも Mathworld あたりで検索すると、complex plane はあるけど complex number plane は出てこない。 で、辞典類を見てみると、岩波「数学辞典」、共立「数学小事典」は いずれも複素平面、複素数平面併記で区別は書いてない。 朝倉「数学大辞典」(訳書)は「複素数平面」だけだけど、 初版 1993 年だから逆に指導要領の影響があるのかもしれない。 それにしても毎年の京大のコダワリもすごい。 「複素平面は複素数平面ともいう」: あくまで「複素平面」がメインという主張かな? ただ、上記のような実情を踏まえてもこれが正しい態度というべきで、 要するにどっちでもいい、「複素数平面」が学校教育造語ではないとしても、 複素平面はダメで、複素数平面でなければ、なんてのはアホらしい。 なお Argand Diagram と(現在の)複素数平面とは微妙に異なるみたいですね。 前者は x+yi を実2次元空間 (x,y) への射影として、 座標軸を x 軸、y 軸と書くらしい。 学校だとこう書いたら減点されるのかな? もっともじゃどう書くのが正しいのかはグレーゾーンなんですが。 (これは疑問その5かな:複素数平面の座標軸にはどういうラベルを書く?) ============================================================================= > "SATO Tatsuya" <_nospam_statuya@seg.co.jp> wrote in message > news:y6ad5u8nygk.fsf@piloo.lightcone.jp... >> >>私の感覚では複素平面はC^2 、Cは複素直線ですね。 >>数学を専攻した人ならそういう言葉使いをすると思う。 ごもっとも。 だけど: >>複素数の「複素」の意味は 2dimensional ですね。 >>「複素平面」と言われると「2次元平面」と言われている >>ようで頭痛が痛いです。 「2次元平面」とか「3次元空間」って普通じゃないかなあ。 むしろ複素1次元としての「1次元平面」と言われているようで 気持ち悪い、ということなのだろうか? (平賀@筑波大)