なんか最後の部分は塚本さん一流の皮肉なジョークかしらん、
という気もしないではないんですが、こちらはあくまで生真面目に。

Tsukamoto Chiaki wrote:
> ... x に従属する, ということをはっきりさせる為に
> 
> y = y(x)
> 
> と書いたりするかも知れない. しかしこれは関数の名前が "y" である
> というのとは違う. あくまでも関数は「無名」のままだ.
> 
> 結局のところ何が言いたかったかというと, 「 y という関数」と
> 「 x という関数」では「省略」されている部分が違うということを
> 認識できないような人物を相手にするのもどうかと思うが, 相手に
> するなら, "x = x" などという式を無防備に書いたりせずに, せめて
> "x(x) = x" 位のことを工夫してはどうか, ということだ.

x(x) を使わなかったのはちょっと心理的な抵抗感が働いていて、
数学流の y=y(x) よりは、計算機屋的発想のほうが勝ってしまった
といったところがある。
1つには「関数(名)は固有名詞」というのもあるし、
数的関数(ヘンな言葉だ)ではなく、形式的体系の関数としては、
x(x) は関数 x に自身を適用するという意味合いで出てくるんですね。
(不動点プログラムとかで)

あと、『解析概論』では「x'=1 だから」と書かれているんですが、
これから察するに、
  x = x ⇒ dx = x' Δx ⇒ dx = Δx
と受け取るのが一番素直じゃないのかなあ。

関連して桂さんの書かれた:
>> それにしても恒等関数を表す標準記法がない(定着していない)
>> というのは何かと不便ですね。
>
> 定着していないのかな。 1 あるいは、id だと思うけど

「定着していない」というのは別にはっきりしたイメージを
持っての話ではありませんが、例えば:
 ・「x' = 1」ではなく、「id' = 1」、「(id(x))' = 1」などと
  書いたりはしない。
 ・関数空間の話などで持ち出す場合、「id は恒等関数」と断らずに
  使ったりはしない。
といったようなことです。
もっとも前者の場合、恒等関数を特別な関数と考えるよりは、
多項式の一種としての扱いが勝っているからではあるでしょうが。

それと関数合成の場合などは 1 でいいでしょうが、
解析で 1(x) などとすると定数関数と間違われそう。
ステップ関数をこう書いたりすることもあるかな。

それにしても:
I wrote:
> まあ「工夫」をしてみたところで、「両辺に x があるのはどういうわけだ」
> ぐらいに言われて同じことだとは思いますが。

<800c7853.0404150155.75e0c285@posting.google.com> なんか見ても
そういう感じはしますねえ。
もっともこれ自体はむしろ正反対の方向を言っているようだけど。
この御仁、x を左辺に持ってくるのがよほどイヤみたい。

(平賀)