マドンナがアメリカで十字架を燃やすパフォーマンスを行ったとき、
アメリカ社会からは激しい抗議の声が起こりました。いっぽう、イ
ギリスではそういうことが起こりませんでした。日本やイギリスの
ほうが、アメリカよりも言論の自由が大きいのです。

私が思うに、これは、立憲君主制の影響があるのです。

言論の自由に萎縮が見られると感じた言論人は、いつでも、天皇制
廃止論を唱えることができます。田原総一郎は本当にうまく天皇制
を利用し、時々天皇制廃止論を持ち出しながら、活発な討論番組の
司会を務めています。

自由民主主義の機能を維持するには、国民が権威の失墜に慣れる必
要があるんですよ。日本の皇族が学習院に通っているときに万引き
騒動を起こしたり、イギリスでキセル乗車して駅員に叱られたり、
モーテルに男としけこんでいたり――そういうずっこけた姿がちら
ほら見えてくることで、天皇制はいわば必要悪的に機能しているの
です。

イギリスの場合、チャールズ王太子は実に"立派"であられます。と
くに、浮気相手のカミーラさんが、こういってはなんですが、ダイ
アナさんよりも容貌で大きく見劣りするあたり、おろらく無自覚に
も、自由民主主義と言論の自由へ多大な貢献をなさっているのです。

国民にとって、天皇は神であり、そして、道化でもあるのです。

大統領でも、例えば、クリントンはなかなかでした。とはいえ、一
般的に、政治的に大きな権限を持つ大統領は、そう気軽に権威失墜
できないんですよねぇ。

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