リストラ考
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<年功序列廃止>
日興コーディアル証券(元日興證券)では、年功序列制度が廃止に
なりました。基本給が30万円になりました。つまり、入りたての社
員の初任給が最低でも30万円になると言うことです。この基本給は
役員を除けば一定で、能率給が最大120万円になりました。結果とし
て、入社1年目の人が10年働いている先輩を追い抜くこともありえる
わけです。
一見厳しいような印象もあるかもしれません。しかし、甘い話には
厳しい面があるように、厳しい話に甘い面があっても不思議ではあ
りませんね。
基本給が一律固定になり、残りは能率給になると言うことは、給与
体系が年功序列ではなくなるということです。そうなれば、現在の
ような悲惨なリストラ解雇もやがて消えていきます。会社に長くい
たというだけで高い給料を払うことがなくなるわけですから、会社
は壮年期の従業員をことさら目の敵にする必要がなくなるのです。
<リストラ解雇の王道>
事業が失敗した場合に、その責任者に辞めてもらうというのが本来
のリストラ解雇です。主な対象は、上級管理職と高度専門職です。
日本の経済全体が萎縮してしまったのは、本来のリストラというも
のをきちんと学ばなかった、あるいは、きちんと実行するだけの潔
さがなかったからです。
さて、リストラ発祥の地アメリカでは、別の形の年功序列というも
のが存在し、凡庸な一般社員はそういったシステムのもとに保護さ
れています。いわゆる、先任権制度です。
同じ職に長い間ついている人ほど、優先的に解雇や一時解雇の対象
から除外するのがこの制度です。
一般従業員の中にも野心的な人は当然います。彼らが優秀ならば、
役員としての待遇を得る機会もあることでしょう。しかし、それに
はリスクが付きまといます。先任権制度から外され、リストラ解雇
の対象となる可能性が大幅に増大するわけです。
そういうリスクを背負ってまで何かをやりたい人のみが、会社を引っ
張っていける人材なのです。役員になることでリスクが減少してし
まう雇用制度には、どこかに歪みがあります。ハイリターンにはハ
イリスクが付きまとうことこそ本来の経済のあり方なの
です。
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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