At Wed, 21 May 2003 19:26:48 +0900,
in the message, <20030521192648cal@nn.iij4u.or.jp>,
cal@nn.iij4u.or.jp (SASAKI Masato) wrote
>>> 所有者の支配意思が明確にみとめられるものは
>>と述べた
>>としても、それがない場合には常に占有が認められないと言っているのかどう
>>かは別の問題だと思います。
>>逆は常に真ではありません。
>
>所有者の支配意思が明確に認められなくても占有が認められるなら
>「たとえ所有者において物の存在を一時失念していたとしても、
> その物に対する支配力を推及するに相当な場所的時間的範囲内にあり、
> 且つ
> 所有者の支配意思が明確にみとめられるものは
> 占有を離脱したものとはいえない。」
>の「且つ」以下の要件の検討が不要やん。
>「たとえ所有者において物の存在を一時失念していたとしても、
> その物に対する支配力を推及するに相当な場所的時間的範囲内にあれば
> 占有を離脱したものとはいえない。」
>で全然問題ないでしょう。

それは違います。
前にも述べましたがそれだけでは足りません。
しかし、それだけでは足りないがそれ以外に「支配意思が明確に認められる」
という要件が必須なわけではないということ。

つまり、
場所的時間的範囲だけでは決らない。
ということを前提に、
その他の要件として支配意思が明確に認められる場合は占有を肯定する。
ということを当該判決は言っているだけ。
しかし、同じ前提で、
その他の要件として支配意思が明確に認められる場合でなくても占有を肯定す
ることがある。
というのがわたしの主張。

だから、場所的時間的範囲だけでは占有を肯定できないという点では当該判決
と同じ。
これは、
At Sat, 08 Feb 2003 23:11:01 +0900,
in the message, <3e4508d5.3425%omegafactor@anet.ne.jp>,
SUZUKI Wataru <omegafactor@anet.ne.jp> wrote
|>時間的場所的な近接性だけで判断している訳でもないのです。
|
|わたしだってそれだけで判断しているわけではありません。
|それだけで判断しているなら「認識していれば」などとは言わない。
と述べた通り。

そして具体的にどんな要件が必要かは、「大コンメンタール刑法」に一定程度
類型化してあるというのは既述の通り。

>>それがない場合には常に占有が認められないと言っているのかどう
>>かは別の問題だと思います。
>
>なら「且つ」以下の要件を書きたした理由は何?

上記の通り「且つ」以前の要件だけでは足りないから。
しかしそれは「且つ」以下が'必須'ということを意味しないつまり別の要件で
換えることができるというのがわたしの主張。

-- 
SUZUKI Wataru
mailto:omegafactor@anet.ne.jp