古寺です。

Ishidanさん wrote:
> 
> "MISHIMA Shin-ichiro" <shin@affrc.go.jp> wrote
>  in message news:shin-0610031047580001@pmc185.niaes3.affrc.go.jp...
> > > 日本電子が電気二重層コンデンサのエネルギー密度を大幅に
> > > 向上させたようです。
> > > ハイブリッドカーへの応用が楽しみです。
> >  確かホンダのハイブリットシステムは当初ウルトラキャパシタではなかっ
> > たでしょうか。
> 
> CIVIC Hybrid は結局ニッケル水素ですね。

燃料電池車に再び搭載しているところを見ると、開発を促す側である事には
変更が無いと思います。
コストやエネルギー密度等を考慮した場合、現時点ではニッケル水素になる
というのがトヨタ以下の判断だと。リチウムも大電流・大電力用では難しい
面が出てくるそうで。シビックがパナソニック-トヨタ系の会社からの購入
になった後か先か記憶が怪しいですが、たとえば三洋がニッケル水素方式で
の性能向上を発表していますし(フォードへの独占供給って以後、売り先が
見つかったかよく分からない)、パナソニック-トヨタ系でもほぼプリウス
の世代交替時に性能を上げています。
 
#新プリウス直前のエスティマハイブリッドマイナーチェンジでも内部抵抗
#低減程度は行なわれてるんですが... 将来的に一定需要が出てくるかも知
#れない、経年での二次電池リプレース時には、その時点でラインに存在す
#る仕様のセルを、容量を合わせて搭載するんでしょうか...? 回生電流が
#入りやすくなりそうな点でのみ、旧型車も改善されちゃうかも(^^;

> > > 好調な新プリウスが売れなくなるかも。でもまだ先の話か...

この「売れなくなるかも」を最初斜め読みして、電池メーカーから車両メー
カーへのニッケル水素販売がの事だと反射的に納得したんですが、後で引用
しているフォロー記事などから読み直して、なんのこっちゃと思いました(^^;
応用できそうな新技術、それも応用される予想の時期も切っていないものが
出てきて、最終製品を買い控える人が居るのか、ちょっと見当がつかない感
じです。
具体的にこれの採用でどの程度の改善が自動的に(?)付いてくるのか、です
が、リリース詳細の方に出ているエネルギー密度が従来比10倍と、そこに
既存の例として挙がっているハイブリッドトラックの例に対してその倍率が
有効なら、二次電池代わりとして相当に搭載は楽になりそうです。エネルギー
密度でトントン、意外(いや、全く個人のイメージで^^;)な事に容積比密度
で少々不利目で、搭載には場所を喰っていた記憶が有りました。

> > > 好調な新プリウスが売れなくなるかも。でもまだ先の話か...
> >  寿命や取り替え時のコスト、リサイクル性はいかがなものでしょうね。
> 
> 化学反応が無いコンデンサーですから寿命は問題ないかと。
> キャパシタをそのまま再利用できればともかく、カーボン粉末はリサイクル
> する意味があるかどうか。

同社リリース(http://www.jeol.co.jp/ の10/3の)では、「電極材料
は炭素とアルミ箔と紙」な点を環境上の優位性として挙げていますね。
また利用サイクルの長さ(1万~20万充放電)も挙がっていますが、これはキャ
パシタなんだからその特徴を維持、あるいは伸ばした状態としてくれないと新
技術として利が無いわけなんで(^^;

さて、「プリウスが売れなくなる」かですが(しつこい^^;)、現状のハイブ
リッド車が製造~廃車のトータル環境負荷の面で良くないとか考えてる人は、
これでますますその意を強くするかも知れません。トヨタ発表のライフサイ
クルトータル負荷を信じない、としてですが。

逆に、新聞記事なんかで今よりはるかに高性能なハイブリッド車が作れるとい
う煽りで購読者を誘導でもしない限り、車というシステムとしては電気のバッ
ファが高性能化して具体的にどのような消費者利益に繋がるか、通常はちょっ
と見当付かないはずですしね。一つの要素技術の採用を待って、意地でもその
間は車を一切買わないとかいうなら、一つのポリシーだなと思えそうですが(^^;
まだそういうのが出そうだから今回は(同じ項目での評価無しに)他のにしてお
くわというのなら、ほとんど意味が無いと思われます。
とりあえず今回のプリウスで、一回り大きくしながら燃費向上して、2000cc
並の動力性能というのをウリにしてますよね。これをしながら電池の容積・重
量と、電圧合わせての実容量まで減少しているそうなんで。キャパシタが使え
るところに下りてきてからの改善内容というのが、明確な利点として掴み難い
んですよ。たとえば、量産車でリチウムイオンの出番は有るか?(100台限定の
ハイブリッドや、軽登録で400万円の電気自動車には有ったかも)となると、
これのおかげで可能性が下がるのは確かかも知れません。

#昨年春にGolfのタイヤが終る前...一昨年秋頃だったか。タイヤにも応用で
#きそうな画期的低反発ゴム(現状、シリカを混ぜるなどで得ている特性)の開
#発という話を見ましたが、それが応用されるまで交換は待てませんでした(^^;
##とか思ってたら、タイヤにフォーカスした開発が進んでるのね。
##http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2003/030318/
##エスティマハイブリッドの1セット目が終る前の商品への導入は...多分、
##間に合わないだろうなぁ。既に買ってしまったハイブリッド車の燃費性能
##改善要素で一番大きそうなのは(後から出る)タイヤかと思ってるんですが。
##仮に電池リプレースの必要が出てきて将来のライン製のセルのに置き換わっ
##た場合でも、上記想像範囲の効果なら大した事無いと思うので。