古寺です。関東の電力供給逼迫の一件ですね。

結論としては、JRから電力を融通したり、私鉄も含めて付帯電力を抑制する
ことで寄与できる余地は有ると思います。ただ、利用者がその処置を嫌って
車使っちゃったり、最悪運休が出たりすると、供給容量をクリアするために
何倍も非効率な乗物に輸送が移ることになるんで、極力影響は小さくして欲
しいですね。

yam さんwrote:
> 
> "Woods war" <uzawas@hotmail.com> wrote in message
> news:beh57i$55a1j$1@ID-131345.news.dfncis.de...
> > とすればJRと東電の大停電は無関係かもしれません。ま、電気を融通しあう
> > ことはできるでしょうから、一部の電車の冷房を止めて浮かした電力を東電に
> > 譲ることは可能かもしれませんが。
> 
>  電力系統と連系していると思ってましたが・・・
> # でないと、いっせいに回生ブレーキをかけると危ない。

回生ブレーキの対策は、高圧交流の系統の連係以前のところが有りますから、
あまり関係ないですね。危ない事も全然有りませんし。恐ろしく逸れそうなん
で略しますけど、き電側で見れば1750なり1800Vなり、各線事情による設定
値まで電圧上昇すれば回生失効しますし、見ていてそれほど頻繁では有りませ
ん。基本的には直流系の中でカタがついてます。当然、回生吸収可能な変電所
増加も失効低減に関連していますが、JR自営の系統が有ればそこまで上がれば
大方決着が付いてしまうはずで、さらにもう一段他社系統へ回す必然はむしろ
低いわけです。電力自由化段階で話題になったと思いますが、元々電力会社は
他から戻ってくる電気の「品質」(おもに位相と波形などかと)に五月蝿かった
んで、かつては系統への回生吸収は益無しと、非常に消極的な時期が有りまし
た。

それとは別に電力系統同士の連係自体はしてると思いました。自営電力で旧国
電区間(と同エリアの東海道新幹線)に供給できるとは言え、電力会社(通常時
の^^;)ほど発電所の数に余裕度を持たせるはずもなく、検査と渇水が重なっ
た時などのために融通は受けられると言う主旨で高圧の電力系統が繋がってい
たんじゃなかったかと。
国鉄時代以降、その辺の詳細な解説を見る機会が有りませんが。この半年くら
いの間のRJで、川崎火力の話が出ていたとは思います。まだ予備機にコンバイ
ンドサイクルじゃないのが残っていたんだー、みたいに思った覚え(それでも、
相当に先進的で、高効率で、電力生産の環境特性としてはいい方=天然ガス使
用の複合サイクル=でほとんど運行されてるわけです)です。系統の話は出て
なかったよーな。
あっそうそう数年前関東JRで、落雷により長時間停電しませんでした? それ
でだと思うのですが、TVで系統図を見せながら、復旧に手こずった(サクっと
融通されなかった)解説を見た覚えが有ったような(無かったような)。
 
> > ところで、冷房に使う電力って、列車全体の消費電力に比べて、どうなんだろう?
> > 微々たるもんだったりして?
> 
>  列車はどうか知りませんが、自分の車ではエアコン入れないと
>  リッター6キロ台の上のほうですが、エアコン入れると6キロ切って
>  しまいます。ビックセダン(いわゆるVIPカー)でガソリン垂れ流し
>  ながら走っている車でもそんなだから、結構馬鹿にならないと

ハイブリッド車絡みの雑誌記事でエアコン容量を見てぎょっとした覚えが有り
ます。車の場合は入射熱が凄いのか、えらい容量が有りますね(ルームエアコ
ンなどと比べて容積比)。数字は忘れました(おひ)がkw単位なのは間違いな
い。カーエアコン製造元とかでWebページを持っているところが有るので、検
索すれば何か出ると思います。
実際のところ、車の表面積、容積、比率的にはエンジン容量が絡んでくるわけ
ですが。断熱の相当に強化された(電車ほどではないかも)エスティマハイブ
リッドで、端境期は14km/lもさほど困難でない状況が、冬期13km/l、夏期
12km/lくらいに(油断すると)スッコーンと落ちます。夏期は多少、行楽地
行きが多いという要因も有りますが。相対的に通常燃費が良くて、容積が大き
くて、しかもエアコン動きさえしなければかなり高効率なエンジン制御(停止)
が出来るのにぃっていうのは確かに効くようです。
で、電車については、これも交通を真面目に研究としてやっていた学生時代の
収集資料なんで国鉄は民営化直前だわって頃ですが、ある私鉄が冷房100%達
成したりの頃の会社要覧で見た事があります。運転電力と付帯電力の内訳が
有りましたが、確かエアコンは車両に取り込むにしても見積りで付帯に入れて
たはずで(運転電力は、回生車の増加に合わせて年々減る一方を示していた)、
10%とかそういうオーダーだったと思います。これは、信号や駅など設備用も
込かと。
その当時はロクすっぽ回生車の無かった(201くらい)国鉄→JRなんぞ、近年
になってから「103系の47%」を表示した電車が随分走っていますが。'85年
頃と比べると、エアコンの消費電力も段違いかと思いまし、車みたいにほんの
数名冷やすのに数kwという話も元々無かったような。
過去の例だと、電車用のエアコンは10〜15年で更新されるようです。冷凍機
業界では'95頃に消費電力半減な動きが有ったりしましたし、'85頃まで私鉄
の会社要覧なんか見ていた認識より付帯電力が下がってる可能性は大きいです。

で、なんでこの辺の話をタラタラ書いてるかというと本題のJRからの電力融
通ですが。鉄道という枠で見るとここ10〜15年で輸送量は横ばい〜首都圏で
も微増。消費電力単価の低下の一方で主力の川崎火力の複合サイクル更新が
進んだ(一基あたりの出力増)事で、確か予備機は夏期ピーク時でも原則休眠
(本当の非常用な予備)じゃなかったかということです。ですんで、その分動
かして回せるんなら、まずエアコン以前の問題じゃないかなと。
それでも、電力ピーク時間帯に各私鉄ともども冷房使用を減らすなどは、事
態が逼迫すれば十分考えられます。これも'85以前の話ですが、冷房化の遅
れていたある私鉄で、通勤時に受電容量睨みながら指令から無線で冷房止め
ろ、入れていいというのが運転台に飛んでいたのを聞いてた客が結構いたと
いう(うちら、サテンの話題で「今朝乗った電車はどこから...」なんてし
てました)。冷房より回生車が先に普及しちゃったようなとこでしたけど、
変電所増設して、架線もツインシンプル張り巡らせた頃には笑い話になって
ました。
とまあ、ピークに余裕もたせる(万一落ちるのを予防する)点ではエアコンも
馬鹿にはならないでしょうし。既に大口需要家には色々御協力を要請してる
と報道されてますから、何か決まってるんじゃないですか? その場合、可能
且つ有効なら、川崎の予備機起動くらいしてるでしょう。
こちらでも少し全国番組で見られましたが、横須賀あたりのちっこい休眠火
力再起動の準備を見ていて、これは川崎の予備機の方が(単体では)大きいな
と思いました(ホントか?^^;)。