常泉です。

GPS衛星搭載の原子時計と地上の原子時計では、時間の長さ(時刻)表示にズレが生じることが知られています。また、西回りと東回りのジェット機に搭載された原子時計と地上の原子時計の間にも、時間の長さ(時刻)表示にズレが生じることが知られています。
これらの2つの事実は同じ物理現象と考えることができ、従来、いずれも相対論の正しさを示す事実であると考えられていました。

しかし、それは間違った見方であり、これらの物理現象に対しては相対論と異なる物理解釈が可能なのです。即ち、この現象は既に相対論で正しく説明されているとし、更には相対論でしか説明できない現象と思い込み、相対論による説明以外の原因の存在を考える必要はないと断定し、物理学に相対論という壁を設けることは危険以上に誤った事なのです。
そこで、相対論を否定する反相対論の立場から、この物理現象を次の2つの面に分けて考えてみたいと思います。

その一。相対論では系が異なると固有時間が異なり、時間の進みが変わるという理屈が用いられる訳ですが、反相対論の立場で、時間の進みを変化させずに(普遍あるいは絶対であるとし)GPS問題とジェット機問題の説明は可能か?

その二。相対論の説明は完全か? おかしいところ(矛盾点)はないか?

今回は、その一について説明しましょう。

相対論を認めず、系が異なっても時間の進みには変化がない、と考えるとすると、何故、原子時計の表示が異なってくることがあるのでしょうか?
相対論と異なる考え方で原子時計に生じる現象を説明するためには、「従来の原子時計の時刻の表示方法では、必ずしも本来の時刻が表示されているのではない、即ち、時間の長さの違いが示されているのではない」という点が大切になります。
但し、それは従来の時間の表示の方法が誤っていることを主張しているのであり、時計そのものが狂っていることを主張しているのでないことに注意してください。

これをもう少し詳しく述べれば次のようになります。
原子時計は、セシウム原子の固有の周波数を計測すればそのカウント数から時間の長さが決められる、と考えることを基本として作られているのですが、それには、従来、セシウム「原子の固有の周波数は変化しない」ものである、という観念がその根拠として存在する訳です。しかし、この観念は変えることが可能です。
即ち、セシウム『原子の周波数は、その原子を含むマクロな物体の「回転速度に依存」し且つ「ポテンシャルに依存」して変化する』と変え、従来の考え方の幅を広げれば良いのです。

ジェット機やGPSの回転速度が異なり、あるいは置かれた位置のポテンシャル(地球により形成されたポテンシャル)が異なると、それらに搭載された原子時計のセシウムの周波数が地上に比べ変化するだけであり、「従来時計による、2つの時計が示す時刻が変わるように見える事、即ち単に周波数が変わる事」は「実際に2つの時間が異なる事」では無いのです。
要するに、時間が同じでも原子(セシウム)から発する光の周波数は一定とは限らない、のであり、光の周波数の刻む数が正しい時間を示しているのではない訳なのです。
では、どのように周波数は決まるのか? その定量的取り扱いについては、ここに書くのは大変なので、私のHPに書かれたT理論改訂版の本文27〜29章をご覧下さい。特に重要なのは回転の基準は何か?という点でしょう。これについては、その二に絡めて別の機会に考えましょう(天動説と地動説の関係に関連していますね!)。

そもそも、原子(セシウム)から発する光の周波数は一定で変化しない、などという制限を設ける必要など始めから何処にも無いではありませんか!
我々を相対論から解放しても、T理論を基本とする物理学が有れば我々は今後とも十分やって行けます。相対論は要らないのです。物理学をもっともっと自由に且つ発想を豊かに見直しましょう。今までの物理学に囚われてはいけません。自由さえ手に入れれば、矛盾に満ちた相対論以外で物理現象を合理的に考えることが直ぐに出来るようになるのです。

これまでの貢献に対し感謝をしつつ相対論を捨て、量子論も修正するT理論という新しい物理学で新しい世界を開拓しなければいけないのです。

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常泉 浩志

相対性理論は間違っています。量子論も修正が必要です。
私は、新しい物理学の到来を告げる「T理論」を提唱しています。
「T理論」は、相対性理論の代替理論であり量子論も修正する理論です。
http://www.ni.bekkoame.ne.jp/tsuneizumi/

    − T理論を構成する物理の基礎 −
(1). 時間は普遍(絶対)である。
 従って、光速度不変という異常概念は不要となる。
(2). 物質の波動関数は実在であり、確率(振幅)ではない。
 これから、光は実在せず、仮想の物理現象となる。
(3). 質量エネルギーは不変である。
 速度が変化しても質量が変化することはない。
(4). 力の大きさは従来の2倍である。
 遠隔作用で交換されるエネルギーに関連し、量子論で重要になる。
(5). 速度の異なる系間では4(次)元座標が均等に収縮する「T収縮」が起こる。
 4(次)元座標は現実の空間の座標ではなく、作用空間の座標である。

    − T理論から得られるいくつかの結果 −
(1). 加速器における荷電粒子の加速運動は、相対論とT理論で一致する。
(2). 水星の近日点移動が軌道の数値計算から99.9%以上の正確さで計算できる。
 この軌道計算は任意の楕円運動で可能である。
(3).  原子時計は、重力ポテンシャルの変化に起因する時刻の変化を示す。
 GPS衛星搭載の原子時計の変化は時間の変化とは無関係に説明できる。
(4). 1次、2次のドップラー効果の理論値は観測結果と一致する。
(5). 水素原子のエネルギー準位が従来より正確な値として与えられる。
 2S(1/2)、2P(1/2)に関しては、ディラック方程式の解に比べ
 実測値との誤差が10%以下になる。
(6). 自己エネルギーと質量エネルギーが一致し、物理理論の整合性が高まる。
(7). 従来理論におけるボーア半径の異常性が改められる。
(8). 電子雲分布から、水素原子の正確なエネルギー準位を求めることができる。
 この事実は波動関数の実在の証拠となる。
(9). 質量不変の帰結として、繰り込み理論が不要となる。
 繰り込み理論を用いずにラムシフト計算が可能となる。
(10). ローレンツ不変量は、T理論で従来と同様の役割を果たす。
 ローレンツ不変量は相対論と必要十分の関係にあるのではない。
(11). デルタ関数は修正され、素粒子を表す大きさのある自由空間の波束として示される。
(12). 波動関数実在の帰結として、観測問題が解決する。
 波束の収束という異常概念は不要になる。
その他、数多くの興味ある結果がT理論から導かれる。

 「T理論改訂版」では、以前発表した「T理論」の内容の一部が修正され、
相対論の分野もさることながら、特に量子論の分野でのT理論の正しさが
定量的に鮮明になってきたため、従来の相対論と量子論に比べ、
T理論の理論的優秀さがより明確な形で示されている、と言えるだろう。