河野真治 @ 琉球大学情報工学です。

最近読んだ、「ランダムウォークと繰り込み群」って本。まぁ、結
構難しいんだけど、5 次元以上に付いては、うまく解ける手法があ
るらしい。逆に、3次元、4次元は難しいらしい。

(ちなみに自分で買った本ではないです。返さないとだめだな)

で「ここでは数学的ではないことを書きます」と書いてある章があ
る。そこで、何故、3 次元、4次元が難しいかの考察が書いてあっ
た。

一つは、ランダムウォークが本質的に二次元的であること。これは
割と納得できる。自分の進行方向を一回変えると、方向は二つ。つ
まり平面になる。でも、続けて起きる一連の方向転換が二次元的に
なるってのは自明ではないけど。たぶん、なんらかの形で偏向があ
るランダムウォークだと多次元的になるんだろうな。

もう一つは、二つの平面をランダムに選ぶと、5次元以上だと交わ
らないが、4次元以下だと必然的に交わってしまう。まぁ、確率の
問題なんだけど。

この二つの要因で3次元、4次元のランダムウォークの解析が難しい
らしい。

同じ問題は、量子力学の定式化の一つである経路積分についてもあ
る。経路積分はすべての可能な経路について積分するのだが、3次
元、4次元での可能な経路ってのを定式化するのが難しい。直観的
に、上の二つが絡んでいるのだと思う。

この問題が解けるのは、いったいいつになるのかな。


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Shinji KONO @ Information Engineering, University of the Ryukyus
河野真治 @ 琉球大学工学部情報工学科