鏡に映った自分の姿は左右逆転している?していない?
鏡の後ろに回って立つ自分を想定して比較してみるといった論理的思考を行っている人は、鏡に映った自分の姿が左右逆転していると判断する。それに引き換
え、鏡に映る像というものはこういうものだという過去の経験的固定観念の基に直感的に捉える人は鏡に映る自分の姿を逆転していないと答える。
ここで、論理的思考をした人は「鏡像問題に対する幾何学的解答」でも述べたが、本来回り込むことのできない異次元に回り込めたつもりで比較するという間
違いを冒していて、論理思考を行ったつもりが実は鏡像にまんまと幻惑されてしまっているという結果になっていることが解る。
次に鏡に映る像というものはこういうものだという過去の経験的固定観念を持った人は、実は鏡像というものは実物と線対称の関係(釣った魚と魚拓の関係と
同じ)にあることを経験的に理解していて、反転関係にあることを疑う余地もなくあたりまえだと感じているのである。そして鏡に映った像は逆転しています
か?という質問に対して逆転していない(反転の更なる反転、つまり二重反転していない)と答えるのである。
従って、鏡像問題に限っては論理的思考をした人よりも直感的に捉えた人の方が正解に近い。しかし両者の答えは厳密に言うとどちらも正しくない。つまり、
直感的に捉えた人も鏡像が線対称関係の反転であるという事実を経験的固定観念というあいまいさの中に閉じ込めてしまっているからである。従って、実物と
鏡に映った像は、釣った魚と魚拓の関係と同じで線対称の関係にあるので反転するのは当然であり、その反転した像が鏡像なのだという言い方が正しい。
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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