わたくしは、なんかピント来ない気持ちで一杯であります。それは、
日本に「来る」(敢えて来ると言っておこう)事は、「誰のために」い
いことなのか?支援者達も「誰のため」に活動をしているのかを
考えてしまうからであります。

(1)日本にいる親はそれは日本に戻ってきて欲しいとは思うでし
   ょう。しかし、親達はそう思うときには時の経過を知らなけれ
  ばならないのではなかろうか?

(2)当人達は半分は帰りたいと思うであろうし、このままでいいと
  半分は思うで有りましょう。かれらは「その地」で長らく生きて
  きてしまっている。これが現実で有りここが出発なのでありま
  す。彼らにとっては日本に帰ることは必須のことではない。

(3)子供達は純粋に北朝鮮で生まれ北朝鮮で育った。北朝鮮で
  一生を送ることはそれほど問題ではないでありましょう。

(4)この問題を取り巻く第三者的日本人は、勿論彼ら被拉致者や
  その家族の感情を移入して考えれば、極めて気の毒であり、
  明日はわが身、と考えることもあるで有りましょうが、しかし、
  彼らの憤りは、そんなところにあるのではないでありましょう。
  わたくしは、この北朝鮮拉致問題はこちらの観点から最も興味
  を持っているがここでは触れません。

ところで、皆さんは国際問題としてではなく、日本国内での「離婚問
題」について注意を喚起してみたいと思うのであります。たとえば、
夫が目にあまる不貞を働き、しかも責任は全てその夫にあったとし
ましょう。誰が見ても「婚姻を継続しがたい状況」にあり、もし、その
継続を強制するとすればかえって非人間的な扱いとなる場合があ
ったとしましょう。こういう場合にも皆さんは夫側から離婚を申し立
てることが出来ないとした方が良いと思われますか?

つまり、正常なる婚姻生活に破綻原因を与えたのが誰かでのみ、
婚姻の継続不継続を考えるべきものなのだろうかと言うことであり
ます。わたくしは、これは理屈の問題は後退し、、要するに破綻して
いると見るか否かで全てが決せられるものではなかろうかと考える
わけであります。人間の生の生活が焦点となる問題は全てこの考
えでなければならないのではないか?したがいまして、この拉致問
題も原因や経緯などは後退せざるをえないのであります。そこで、

拉致され、現在成年に達している方の場合は、純粋に、日本に帰
国する意思があるか否か、成年に達していない方の場合は、両親
のアドバイスで決める。ただこれだけ。これを徹底的に明らかにす
る。国家としてはここに基準を置いて、行動するだけ。もし、これを
明らかにさせない何がしかの原因が北朝鮮側にあるとすれば、手
段を選ばず、武力に訴えてでも明らかにすべきことではないか?こ
れに対して、あまりにも硬直な態度である等のご意見もあろうかと
は存じますが、わたくしは、国家としての対応とはそういうものであ
ると思う。

もし、こういう国家としての対応のあり方が妥当でないとし、筋を通す
ことを断念すれば、、国家の威信が大いに傷つけられる場合が多々
生ずることを日本国民は認識しなければならないのであります。