石井と申します。
 以下、識者の皆様のフォローを期待しつつ…

#  投稿先に、fj.sci.military を追加しました。

On Tue, 24 May 2005 20:14:33 +0900
In article <d6v2am$nh1$1@caraway.media.kyoto-u.ac.jp>
Yoshitaka Ikeda <ikeda@4bn.ne.jp> wrote:

> >[太平洋戦争の敗戦]
> >    では、どうして短期的に終結させることができなかったのか?
> 
> 短期決戦で終わらせようとした割には、どう戦争を終わらせるかのビジョンが
> 足りなかった。といえるでしょう。
> 
> 一つには、やはり、ポートモレスビーとミッドウェイを取れなかったことにあ
> るでしょう。あとは、守勢に回ったことを理解できなかったこと。それと、
> カイロ宣言の時点で連合国側に「無条件降伏」以外の選択肢が無かったことが
> あげられます。
> 
> 生産量は別として、1943年末の時点でだいたい倍くらいの戦力比です。
> が、日本海海戦の例もあるので、この時点での無条件降伏は飲めないでしょ
> う。

 お言葉ですが、ポートモレスビーとミッドウェイ占領失敗自体に、あ
まり重きは無かったのではないでしょうか。むしろ、生起した海戦 (珊
瑚海海戦、ミッドウェイ海戦) において、敵戦力の撃滅に失敗した (あ
まつさえミッドウェイでは撃滅された :-*) ことが大きいと思います。
 仮に両拠点を占拠していたとしても、敵戦力が健在であれば、かえっ
てより攻勢限界に近い所での決戦を強いられただけかも。

 とは言え、両海戦で敵戦力を殲滅していたとしても、米国が講和に応
じたとは思えませんし…
 更に連戦連勝した上で、高度な外交交渉があって初めて実現したので
はないでしょうかねぇ

#  で、「短期戦による戦果に基づく講和実現」なんてことが出来る外
# 交力があるなら、対米開戦せざるを得ない状況になんかならなかった
# んでないかと :-P

#  でもまぁ、そもそも、「海上護衛戦」とかを読んでいると、講和の
# 動きは全然無かったみたいですしねぇ…

> クラウゼビッツの戦争論は、割と旧軍でも読まれていたと思うが、
> 「戦争は、それ以外の手段を持って行う政治の延長である」
> という言葉をついぞ理解しなかったのではないか。
> あるいは、軍事官僚化した軍部が政策決定をしようとした、と考えればよいの
> ではないか。

 この部分、お言葉の通りかと思います。

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 Name    :  ISHII Kouji  ( 石井 浩二 )
 E-mail  :  kouji@koshoku.org