9月1日付朝日新聞朝刊に寺島実郎氏の小泉評が載っていました。
 氏は小泉首相のことを
 時代の課題、優先順位からするととんちんかんなことにやけに力を
入れているリーダー、と評価しています。

 この後真の改革とはなにかを述べています。

 ・政治改革
 議員削減や当選回数制限など代議制度の改革

 ・行政改革
 内閣府を中心に国家の意思決定と執行をより効率的にする仕組み作り

 どちらも市場原理導入、民営化とは相容れない分野です。真の改革とは
民営化できない領域の効率化だといえるのではないでしょうか。

 この点から公社の状態で民間業者と競争した上で独立採算を実現している
郵便局を民営化するのは真の改革とは関係がないと言えます。
 寺島氏は郵政民営化するにしても公務員制度改革が先になければ意味がない
ともいっています。逆にいえば、真の改革を断行すれば公務員を効率よく働か
せることが可能で、効率化には民営化しかないという短絡的な発想は不要にな
るのでしょう。

 それでは真の改革をどう行うのか。

 私見では政官財やくざの癒着を断ち切って政治の主導性を発揮するしかない
と思います。それには政権交代しかないでしょう。現状では民主党にしかでき
ない改革です。その後は自民党と民主党による政権交代のダイナミズムの中で
癒着が再び起こらないようにするべきだと思います。

 小泉首相は郵政族議員を排除できるかもしれません。しかし他の族議員は
排除できるでしょうか。首相自身財務族だという話があります。小泉総裁退陣
後、小泉手法が党内で受け継がれていくとは思えませんし、継承が望ましいと
も思いません。

 改革は政権交代のメカニズムによってしか推進されえないと考えます。

-----
Horiuchi Satoru