工繊大の塚本と申します.

In article <6689aade-c32c-445a-96bc-2011aba578a7@f35g2000vbl.googlegroups.com>
KyokoYoshida <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> 2つ質問なのですが
> 
> ゼータ関数 ζ:{s∈C;Re(s)>1}→?
> の値域は何になるのでしょうか?

ググって見ますと, 1911年に H. Bohr さんが
ゼータは Re(s) > 1 において 0 以外の全ての複素数を
値として無限回取ることを証明しているそうです.

> C∪{∞}でしょうか?
> 振動する事もあるのでしょうか?

 Re(s) > 1 では正則ですから無限大にはなりませんし,
良く知られているように零点もありません.
振動とは何でしょうか.

> あと,
> 
> functional equation(汎関数)の定義についてですが

 functional だけなら「汎関数」を意味しますが,
 functional equation というのは「関数等式」です.

> これは陰関数の事なのでしょうか?

違います.

> 例としてReimannのXi関数
> Ξ(s)=Ξ(1-s)
> が載ってましたが

はい.

> functional equationは直訳すると関数からなる方程式という事なので

 equation というのはもう少し広く「等式」ということに
なります. それだけで関数を解いて求めようというわけでは
ありません.

> f(x)+√g(x)=ch(x)^2とかいうのもfunctional equationと言えるのでしょうか?

一つの関数が満たす, 知られている関数との合成やら,
知られている関数を係数とする代数方程式やらが
合わさったようなものを, 普通, 関数等式と呼んでいます.
ですから, f, g, h のように違う関数が三つもが入っていると,
困ります. (g, h が知られている関数なら良いですが,
それなら f を知られている関数で表したというだけですね.)

> でもよくよく考えるとx^2+ax+c=0とかも
> 左辺や左辺の各項も関数と見立てる事ができるので
> 任意の方程式は全てfunctional equationと言えるのではないでしょうか?

 x^2 + a x + c = 0 は全ての x について成立している
わけではありませんから, 関数についての等式にはなって
いません. 関数が恒等的に 0 でないなら,「関数 = 0」は
変数についてのただの方程式です.

 Xi 関数が, それと 1 - s という知られている関数との合成と
一致するというのは「 Xi 関数についての等式」という
ことになり, そういうものを「関数等式」と呼ぶわけです.
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塚本千秋@数理・自然部門.基盤科学系.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp