Re: Fermatの降下法
工繊大の塚本と申します.
In article <i0hes5$toi$1@speranza.aioe.org>
tesigana@diary.ocn.ne.jp <tesigana@diary.ocn.ne.jp> writes:
> 文脈からすると、p.178 以降にちゃんとした証明が載っているような気がするけど、
> こんな感じかな?:
>
> 平方剰余の相互法則(Quadratic Reciprocity)から、
> p ≡ 1 (mod 4) なら、A^2 ≡ -1 (mod p)
> が成り立つ。すなわち、ある整数 M ≧ 1 が存在して、
> A^2 + 1^2 = Mp
> (これは、p.176 の "A^2 + B^2 = Mp" の B = 1 の場合を言っている)
>
> M = 1 のときは、命題そのものなのでそれでおしまい。
>
> M > 1 のとき、
> (*) a^2 + b^2 = mp, 1 \xE2 \xA6 m < M
> を満たす a, b, m が存在する。それは、次の恒等式から分かる:
> (Xa + Yb)^2 + (Ya - Xb)^2 = (X^2 + Y^2)(a^2 + b^2)
> これは、
> Xa + Yb = A, Ya - Xb = 1, (X^2 + Y^2)(a^2 + b^2) = Mp
> と置いたものに等しい。
A, B に対して X, Y, a, b をどう取るのか述べないと
意味がないでしょう.
> X^2 + Y^2 = r, Mp = rmp
> と置けば、1 ≦ m < M である。
M は r で割り切れるという主張ですか.
> p は素数だから、 r か a^2 + b^2 のどちらか(または両方)が p の倍数となる。
> 仮に r が p の倍数でない(あるいは、二つの p の倍数のうちの一方)とすれば、
> ((Xa + Yb)^2 + (Ya - Xb)^2) / r
> = a^2 + b^2
> = mp
> すなわち、(*) が成り立つ。
この辺り, 場合分けに不備があるような気がします.
> m > 1 なら上記と同様にすれば
> a'^2 + b'^b = m'p, 1 \xE2 \xA6 m' < m
> となる m' を見つけることができる。
> また、 a^2 + b^2 は正数だから、上記の繰り返しは m = 1 で停止する。
まあ, 無限降下法なので, そういう議論をすることには
なるわけですが.
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塚本千秋@数理・自然部門.基盤科学系.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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