工繊大の塚本です.

In article <e8d02a04-af17-4b77-a663-f5da86b0e221@y12g2000vbr.googlegroups.com>
KyokoYoshida <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> A→Bという対応をΓとする時,
> A×Γ(A)というA×Bの部分集合の事を対応Γのgraphというのですよね。

違います. 結局, graph と, 定義域と値域の積集合が
区別できませんか. Γ: A → B という写像の graph とは
 { (a, Γ(a)) ∈ A × B | a は A の任意の元 }
という A × B の部分集合のことで, A と Γ の像 Γ(A)
 = { Γ(a) ∈ B | a は A の任意の元 } との直積集合
 A × Γ(A) とは全然違います. 後者には a, a' を
 A の元として, (a, Γ(a')) という形の点が全て含まれます.
 graph と A × Γ(A) とが一致するのは, Γ が定値写像である
場合だけです.

> http://www.geocities.jp/narunarunarunaru/study/measure_theory/Zorn_lemma.JPG
> のように何とか自力で証明を試みました。これでもいいのでしょうか?

証明にはなっていないでしょう. S を A' × B' の形の
 A × B の部分集合で, A' と B' との間に bijection が
存在するもの, の集まりとするのでは, chain に極大元が
存在することを示すのが難しい. ちゃんと bijection が
構成できますか.

 S としては f: A' → B' (A' ⊂ A, B' ⊂ B, f は bijection) の
集まりを考え,
 (f: A' → B') ≦ (g: A'' → B'')
とは (f の graph) ⊂ (g の graph) となることだ, として順序 ≦ を入れて
考えるのが宜しい.
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塚本千秋@数理・自然部門.基盤科学系.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp