Re: 線形代数の直和分解の問題で質問です
工繊大の塚本と申します.
一般の, 非退化とも限らない, 対称内積が与えられた
有限次元実ベクトル空間の分解の話ですね. その分解は
一意的ではなく, どう構成するか, が問題になります.
In article <69c53e2f-88d1-43b6-9ea1-f8a54ef7312a@w24g2000prd.googlegroups.com>
cchikakoo <cchikakoo@yahoo.co.jp> writes:
> 線形代数の直和分解の問題で質問です
> たびたびすいません。
>
> 「V = V_0 + V_p + V_n という直和分解で、∀v∈V_0 (<v,v> = 0 ),
> ∀v∈V_p (v ≠ 0 → <v,v> > 0 ), ∀v∈V_n (<v,v> < 0 )
> を満たすものがあることを示せ」
>
> という問題です。
V_0 だけは下にあるように一意に決まります.
V_0 = { v ∈ V ; ∀w ∈ V, <v, w> = 0 }
一つの方法は商ベクトル空間 V / V_0 とそこに誘導される
非退化な対称内積を用いて考えることですが, 商ベクトル
空間は分かり難いかも知れませんね.
> 原文は下記の通りです。
>
> Let V be a finite dimensinal space over R,and let <,> be a scalar
> product on V.
> Show that V admits a direct sum decomposition. V=V_p(+)V_n(+)V_0,
> where V_0:={v∈V;∀w∈V,<v,w>=0},and where the product is positive
> definite
> on V_p,negative definete on V_n.
>
> (This means that <v,v>>0 for all v∈V_p,v≠0,
> <v,v><0 for all v∈V_n,v≠0.)
>
> (+)は直和の記号です。scalar productの定義は
> (i) <v,w>=<w,v>, (ii) <u,v+w>=<u,v>=<u,w>, (iii) <cu,v>=c<u,v> 且つ
> <u,cv>=c<u,v> です。
> positive difiniteの定義は
> 「if <v,v>≧0 for all v∈V,and <v,v>>0 if v≠0」と記載されてます。
>
> 示す事は
> V=V_0(+)V_p(+)V_nです。
> それぞれが線形部分空間である事とそれぞれの共通部分が{0}となる事と
> V⊂V_0(+)V_p(+)V_n
> を言えばいいのだと思います。
V_0, V_p, V_n のどの共通部分も {0} だけであることを
示すのは容易です.
> V_pは<v,v>>0の性質を持つVの規定の部分集合で生成されるらしいのです。
> そしてSlyvester'sの定理
> 「Let V be a finite dimensional vecor space over R,with a scalar
> product.
> There exists an interger r≧0 having the following property.
> If {v_1,v_2,…,v_n} is an orthogonal basis of V,
> then there are precisely r integers i such that <v_i,v_i>>0」
> を使えば簡単らしいのですが…。
これを使うには先ず直交基底を作らないといけないですね.
Sylvester の定理で分かるのは, V_p, V_n の次元が
直交基底の作り方に依らないことだけです. だから,
これで簡単に言えるわけではありません.
> V_0は{v∈V;∀w∈V,<v,w>=0}という集合で,
> v,u∈V_0を採ると<v+u,w>=<v,w>+<u,w>=0+0=0.
> c∈Rを採ると<cv,w>=c<v,w>=c・0=0.
> でV_0が線形部分空間である事は示せましたが
それで良いでしょう.
> V_pとV_nがどんな集合か分からないのでまず線形部分空間である事が示せずにいます。
> 上記の文意から
> V_p:={v∈V;もしv≠0なら<v,v>>0}
> V_n:={v∈V;もしv≠0なら<v,v><0}
> や
> V_p:={v∈V;<v,v>≧0,もしv≠0なら<v,v>>0}
> V_n:={v∈V;<v,v>≦0,もしv≠0なら<v,v><0}
> という集合かと思ったのですがどうも違うようなのです。
それらは部分ベクトル空間ではありませんからね.
> それぞれ
> V_p:={???}
> V_n:={???}
> どのように書けますでしょうか?
ですから, 何かで書けるのではなく, 構成する必要が
あるのです.
V_0 の基底を u_1, u_2, ... , u_t として,
u_1, u_2, ... , u_t, v_1, v_2, ... , v_r, w_1, w_2, ... , w_s
が V の基底となり, 互いに内積について直交し,
<v_i, v_i> > 0, <w_j, w_j> < 0,
となるものを作って, V_p は v_1, v_2, ... , v_r によって
生成される部分ベクトル空間, V_n は w_1, w_2, ... , w_s に
よって生成される部分ベクトル空間, とすることになります.
帰納的に構成するのですが, 先ずは一度お考え下さい.
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塚本千秋@応用数学.基盤科学部門.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp
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