Re: “ベルトランの逆説”
<bdf27k$nce$1@news512.nifty.com>の記事において
gon@mocha.freemail.ne.jpさんは書きました。
> で、あなたは、その方法の1つとしてフリーハンドで円にあてがって
> めちゃくちゃに線を引いてみれば件の確率は1/4に漸近するって
> 言ってるわけですが、それは単に弦の重心が円の領域に対して
> 一様に分布するようにわざと円の領域付近に弦を引いているだけ
> の話であって、その重心が本当に円の領域に対して一様にランダム
> であるのかはかなり疑わしい実験になります。
さらに疑わしいのは、彼の「実験」では、「弦の重心が円の領域において
一様に分布している」という主張そのものがまゆつばものだということ。
50cmの線分の中点が、平面の適当な領域内で一様に分布していると
仮定したときに、その線分(の延長)が円と交わってできる弦の中点は
円内で一様に分布するか という問題を考えてみればよい。
10cm,50cmという量は煩雑なので、単位円、単位長の線分を考えてみよう。
今、単位円のn倍の半径の領域に単位長の線分の中点が一様に分布するように
配置してみよう。周辺部に置かれた線分(の延長)が、単位円と交わる確率は
n にほぼ反比例して小さくなる。が、線分が周辺部に配置される確率は
周辺部の総長に比例、すなわち n に比例している。結果、線分(の延長)が
単位円と交差したときにその弦の長さが特定の長さよりか大きいかどうかの
判定に対する寄与は nに対して定数のオーダーで影響してくる。
もし、線分の中点が全平面上に一様に分布するように配置されたとすれば
この確率は、平行線が円と交わった場合に弦の長さが特定の長さより
大きくなるかどうかと同じになる。
結果は 彼の「実験」に反して 1/2 になる。
# ま、彼は広大な平面は考慮外のようだ。
もちろん元の問題は「円と直線」の問題であって、「円と線分(の延長)」
の問題ではないから、彼の「実験」も上の考察も、元の問題に対して
何も解答も与えていないことは言及しておこう。
桂 英治@(株)横浜インテリジェンス
(katsura@hamaint.co.jp)
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