国民年金及び厚生年金のうち、全く手掛かりが無いであろう件数25万件金額にして約90億円となる様子だそうだが、この件数が多いか否か、金額が多いか否かは扱う金額、口座数に拠って評価は大きく異なる。 もっとも、不明が全く無いのが本来の姿だが、反面役所に頼り過ぎた側にも責任は存在する。 自分が国民年金又は厚生年金を納付した証明は自分の給与明細、又は国税納付書等の管理がなされておれば、納付場所、金額等は明確に出来る。又多くのこの種の書証はマイクロフィルム等で永久保存とされている筈で、国税の納付記録の照会や、銀行の取引経過の際に提出した書証等幾つか方法は存在すると思う。 今回の時効に拠る請求権の消滅を廃止した処置については、将来請求できる可能性を持たせた評価は出来る。少なくとも、何もしないで時間稼ぎを行う政党よりは遥かに前向きな対応と言える。 年金番号の一本化をしないでいた場合を想定すると、少なくとも一本化に拠る受益者の利益の方が大きいと考える。少なくとも20歳以降の年金保険料の支払い記録は、複数箇所に分散する事無く、何処に居ても同じ番号で照会出来るメリットと、錯誤を大幅に削減する。唯一の欠陥は国民総背番号になる事だけだろう。 現時点で誰が悪いか否かを論じる愚かな事に時間を費やすよりも、出来る事から着手して出来るだけ支給出来る幅を広げる方が先決だろう。 ゆっくり協議する側は議員年金に守られているが、年金の受給を待つ側は支給を待たずして来世に旅立つ事になる。 民主党が本当に国民の利益を代弁するのであれば、時間を掛けて検討するなどと馬鹿げた発言は出来ないはずなのだが、為にする引き伸ばしを行うのには些か呆れる。 年金の不支給は国家的詐欺と言わざるを得ないが、考えて見ると我々が入社した時には55歳に達した日が受給の開始日であったものが、今では65歳となっている。まして、我々よりもかなり上の世代は年金制度そのものが無く、ある日から年金が支給されている。制度上次世代の者が上の世代を養うと言う理想は頭では理解出来ても、感覚的には納得出来ないと感じた。 国民年金に至っては、税の補足率の関係から必ずしも適正に納付されているとは信じ難い。それに加えてサラリ−マン主婦のみなし期間を加えると誰が考えても財源が不足するのは判ると思う。 厚生年金は他の年金を補填する財源として常に犠牲になってきており、公務員共済年金は今回の見直しでさえ、公務員であるが故の上乗せを行おうとしている。 この様な年金制度そのものがまやかしであり、自らの老後資金を他人に任せる事自体が誤りと言える。 まして任せる相手が列挙すれば書ききれない程の不祥事と無責任な運用を行った先である。 そして、労使協定に拠って民間の1/4程度の仕事量しか出来ない処であれば、誰も年金を掛けたく無いだろうし、まともに話題にする事すら馬鹿らしいと言える。 年金問題は確かに生活に直結する問題かも知れないが、あてにならない政治家と、役人を相手にするだけ時間と経費の無駄と言える。 昨年別件で社会保険事務所に出向いた。健康保険の任意継続を行っていたが、制度上任意の必要が無いので、解消と訂正を求めたが、解消は即日可能だったが、納付した過去の保険料約百万円は返済規定に該当しないとの事で返済されなかった。 最後に高い授業料を納めたと思っているが、以後は全て公への金員の納付は請求理由を明確に確認しない限り支出しないでいる。 システムが幾ら良くなっても運用する人間があてにならなければ、制度も信頼も有り得ない。 少なくとも年金制度の信頼回復は、北朝鮮との国交回復や相互信頼以上の年月が必要だろう。 そのころには私は生きていないので、此れからの若い人に年金の必要性を説くつもりは無い。 むしろ信託や投資の方が将来腹が立たないかも知れないとは言える。