こん○○わ、PARALLAXです。どうも6/22日中に投稿した分がサーバー
に蹴られ、挙句の果てに再投稿したものまで蹴られたらしく、再々投
稿します。二重三重投稿になっているサーバーを御利用の方へは、
まことに申し訳ありません。深くお詫びしますm(__)m。

"S. GOTO" <goto.shinichiro@tx.thn.ne.jp> wrote in message
news:9er4vo$b92$1@news.thn.ne.jp...
> 後藤です

ども(^○^)/。では、続き。

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【突然妄想劇場】瀬戸内少女野球団 球魂一発 北の○○・南の××
        炸裂! 女の意地が、マリンスタジアムに花開く
                       (9回表その3)
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〔此処までのお話〕   It's a final count down......

◆21:00 9回表 十番高校の攻撃

> ちびう「・・・判った。やるよ。私が行く。」





 わぁっと喚声を上げるセーラーチーム。それを聞きながら、もう
一度火球皇女を見上げ、ちびうさがやや挑戦的に尋ねる。

ちびう「皇女様・・・私しか持たない武器って、本当にあるの?」
火球 「私も皇女の身分を持つ身です。いい加減な事は申しません」
ちびう「・・・ごめんなさい、失礼な事を言って。」

 しゅん、とするちびうさ。にこり、と微笑むと、また姿勢を低く
した火球皇女が、今度はちびうさを抱きしめた。

ちびう「お、皇女様!」
火球 「大丈夫ですよ、可愛い子。私もあなたを信じています。
    大丈夫、貴女ならきっと出来ます。自分を信じて。皆が
    貴女を信じるように、貴女も貴女を信じてください。」
ちびう「・・・はい!」

 強く返事をし、新たに用意された自分用のヘルメットを被りバッ
トを持ち、打席に駆けてゆくちびうさ。その後姿に声援を送るセー
ラーチーム。と、スターライツの3人が、微笑みながらちびうさの
背中を見守っていた火球皇女に傅いた。

星野 「お見事でした、皇女。」
大気 「矢張り人を御救いになる御方です。」
夜天 「感服致しました。」





火球 「・・・あなた方は、まだ判らないのですか?」





 自分へ賛辞を送った3人へ、ふぅと溜息とつきながら言葉を返し
た火球皇女。そのあまりな物言いに、はぁ?と言った顔をして見上
げるスターライツ。続けて皇女は言った。

火球 「私は彼女を励ました訳ではありません。彼女には彼女にし
    か無い武器があるのは事実です。そしてそれが千影嬢の操
    る戦術に唯一有効であろう事も事実なのです。」
星野 「・・・しかし、彼女は如何せんまだ・・・」
火球 「幼い。そう言いたいのですか?」
大気 「失礼ながら、その通りかと。」
火球 「だからこそ、ですよ。それに、千影嬢は必ずその戦術を用
    いられる訳ではない。それもあなた方が身をもって示した
    事ではありませんか。」
夜天 「それとこれと、何の関係が・・・?」
火球 「まぁ見てらっしゃい。」

 ころころ、と笑いながら、打席に立ったちびうさを見守る火球皇
女。その後姿へ口々に声援を送っているセーラーチームの傍らで、
スターライツの3人は、皇女とちびうさをきょろきょろと見返して
いた。いつも何を考えているか判り難い皇女ではあったが、今回は
極め付けだ。そう思いながら。

爺や7「プレイ!」
ちびう「宜しく御願いしまーす。」

 ヘルメットをちょいと持ち上げて礼をしながら、ちびうさは打席
に入った。20世紀での暮らしもそれなりに長いから、いきなり入
る打席を間違えて後ろ向きに立ったり、バットの握りを右左逆に持
つ事も無い。それに彼女の頭は今「自分だけが持つ武器」の言葉で
いっぱいに占められていた。だが、逆にこれが功を奏することに、
まだちびうさは気付いていなかった。

四葉 (・・・随分と自然な構えデスね・・・意外と要注意カモ。)

 体から力を抜き、淡々と千影に対している(様に見える)ちびうさ
を先ず最初に警戒したのは、彼女の最も近くに居るキャッチャーの
四葉だった。その警戒は当然ピッチャーの千影に伝わり、其処から
伝染する様に内野陣の姉妹達へ伝わってゆく。伊達にウェルカムハ
ウスで彼是3月も一緒に暮らしている訳ではない。この程度の警戒
情報はアイコンタクトすら要らず敏感に伝わる。そしてその警戒心
は、殆ど同時に姉妹達のシフトチェンジへ繋がった。

咲耶 (まだちっちゃい子に見えたって、)
鞠絵 (何回も強敵と戦って、)
雛子 (いっぱいいっぱい、おけがしながら、)
白雪 (それでも最後は生き残って勝ってきた子ですもの。)
春歌 (伊達にセーラー戦士ではない、と言う事ですわね。)
衛  (ならば、用心するに越した事は無い。)
花穂 (此処は深めに守るのが正解、かな?)

 一様にこれだけを考え、じわっと各人が守備位置を移動する。
何を仕掛けてくるか判らない以上、内野陣はきわどい線を守る様に
各塁近めに、外野陣は若干深めに。この動きに、はて?となるも
今はちびうさへの声援で手一杯のセーラーチームも、何も言わない。
そして。





 ひゅっ    すぱむ

爺や7「すたーいく、わん!」
ちびう「・・・え?」





 実に打ち頃の球が目の前を通り、背後の四葉のミットに収まった。
が、それを信じられない様に見るちびうさ。思わずミットを、四葉
を見る。その視線を感じ、ボールを千影へ投げ返しながら聞き返す。

四葉 「どうしタの?」
ちびう「・・・うぅん、なんでもないの。」

 が、ちびうさはまだ信じられなかった。そんな筈は無い、そんな…





 ひゅっ    すぱむ

爺や7「ぼーる。」
ちびう「・・・えぇ?」





 再び訝しげに首を捻るちびうさ。その様子に、思わず尋ねる四葉。

四葉 「どうかしのデスか? 何か聞こえたのデスか?」
ちびう「うぅん、うぅん、なんでもない、ほんとになんでもないの。」

 慌てて否定し、再びバットを構えなおすちびうさ。何でもなかっ
た。何にもなかった。・・・だから、おかしい。





ちびう「・・・なんにも聞こえないじゃない。」





 そう。あれだけ恐怖に噂されていた「千影の囁く声」は、ちびう
さには全く聞こえてこなかった。だから自分は「自分だけが持つ武
器」を考えていられたし、御蔭で落ち着いたからか球筋も打つべき
タイミングも良く見えた。打とうと思えばいつでも打てる球だった。
だから、おかしい。何故、私には聞こえない?

ちびう「・・・もしかして、これが私だけが持つ武器?」

 そうは思っても、では一体何が有効なのかはさっぱり判らない。
しかし、何らかの作用が働き、自分には件の囁き戦術が働いていな
い事だけは判る。ならば。

ちびう「・・・次は打てるかも。」

 そう思い、きゅ、と目深にヘルメットを被りなおすちびうさ。そ
れを確認したかのように、千影がゆったりしたクィックモーション
で第3球を投げてきた。・・・これも打ち頃!

ちびう「えぃ!」

 きん!

 小さいながらも鋭い金属音が球場に響き、一瞬後に打球はサード
咲耶とショート鞠絵の間を抜けていた。非力なちびうさではあった
が、振り回したバットのタイミングが良かった。また千影の球が思
ったより軽かったのと、シスプリ側全員が守備位置を変えていて打
球に追いつくのが遅かった事も幸いした。てんてんと転がる打球を
レフト春歌が処理した時には、幾ら幼児速度のちびうさでも1塁に
辿り着いていた。セーラーチーム、1ヒット1塁へ。

美奈子「やったぁちびうさちゃん!」
レイ 「すごいすごーい! なんと1ヒット!」
まこと「やー、たいしたもんだ。本当にヒットだよ。」
亜美 「ちびうさちゃん、えらいよー!」
ほたる「ちびうさちゃん、やっぱり凄い人よ!」

 躍り上がって喜ぶ3塁側ベンチ。それを横目に見ながら、2塁を
経由して帰ってきたボールを受ける千影。その彼女が僅かに苦笑し
ているのを見て取った四葉は、矢張り同様に苦笑しながら呟いた。





四葉 「・・・ちっちゃい子に酷い事を言って泣かせる、なんて
    出来ませんモノね、千影ちゃん。」

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とっても長くなりましたので一旦切ります(^^ゞ。続きは直ぐに。では。
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