こん○○わ、PARALLAXです。どうも6/22日中に投稿した分がサーバー
に蹴られたらしく、再投稿します。二重投稿になっているサーバーを
御利用の方へは、まことに申し訳ありません。

"S. GOTO" <goto.shinichiro@tx.thn.ne.jp> wrote in message
news:9er4vo$b92$1@news.thn.ne.jp...
> 後藤です

ども(^○^)/。では、続き。

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【突然妄想劇場】瀬戸内少女野球団 球魂一発 北の○○・南の××
        炸裂! 女の意地が、マリンスタジアムに花開く
                       (9回表その4)
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〔此処までのお話〕   It's a final count down......

◆21:10 9回表 十番高校の攻撃

> 四葉 「・・・ちっちゃい子に酷い事を言って泣かせる、なんて
>     出来ませんモノね、千影ちゃん。」





 そして此方も、喜び続けるセーラーチームを横目に見ながら、
矢張り同様に苦笑しながら、傍らの火球皇女に尋ねるスターライツ。
火球皇女は矢張りころころと笑いながら、これに答えた。

星野 「・・・知っておられたのですか?」
火球 「何をです?」
大気 「千影さんがちびうさちゃんに囁き戦術が使えない事をです」
火球 「あなた方、本当に判らなかったのですか? 今まで?」
夜天 「・・・お恥ずかしながら。でも、どうやってお判りに?」
火球 「簡単な事ではありませんか。」

 はて?と首を捻るスターライツ。ころころと笑い続けながら、
火球皇女は答えた。

火球 「あの娘たちは、皆優しい子ばかりです。しかも姉妹を大事
    にする事を知っている。いえ、それはあの娘たちの本能と
    言っても良いでしょう。姉は妹を慈しみ、妹は姉を慕う。
    当たり前の事ではありませんか。そんなあの娘たちが、
    親しくなった小さな女の子を仮にも傷つける様な真似が出
    来ますか?それは苛めです。あの娘たちには出来ませんよ。」

 あ、と口を開け呆然とするスターライツ。

星野 「では、千影さんの囁き戦術とは?」
火球 「ちょっと年上のお姉さんをからかっているだけですよ。」
大気 「我々に悲惨な事を言い募ったのは?」
火球 「それは本当に『知らなかった』からでしょうね。無邪気な
    ものではありませんか。」
夜天 「そんな、まるで子供のような。」
火球 「あの娘たちは子供ですよ。あなた方と比べたら、ね。」

 最早ぐうの音も出ず、一様に押し黙るスターライツ。確かに皇女
の言う通りだった。高校生のような身なりはしているが、セーラー
戦士の誰もが「前世の記憶」を持つ。見かけの数倍の年齢の経験値
は確かに戦闘時には極めて有効だが、それと引き換えに極めて老成
した感覚をもたらす事がある。言わば同世代のものと感覚的なジェ
ネレーションギャップが生み出されるのだ。そして、こんな戦闘等
と縁のない平和な暮らしをしている娘たちが、今フィールドに居る。
平和だった。何よりそんな「平和な暮らし」を守る為に自分たちは
死線を潜り戦い続けてきた。そして、その戦い続けてきた証しが
これだった。この、平和を実感させてくれる一時。

星野 「・・・なるほど。これは戦いであって、戦いではないか。」
大気 「忘れるべきでしたよ。我々は此処に戦いに来ている訳では
    ありません、遊びに来ているのですね。」
夜天 「くそっ。そんななら最初からもっと楽しみゃあ良かった。」

 にこり、としてそんな3人を見る火球皇女。その「だから、遊び
に行こうと言ったでしょう?」と言わんとしている笑顔を見ながら、
また苦笑してしまう3人だった。セーラーチームを見ずに、言う。

星野 「んで、次は誰が行くんだ?」





美奈子「あたしが行く!」





 嬉々として、これに答える美奈子。その元気そうな声を聞き、
1ヒットの御蔭で漸く元気が出たかと安堵しながらセーラーチーム
を振り返ったスターライツは、





              振り返った事を、その瞬間後悔した。





美奈子「あたし、あいのみなこ! 8さい!」





 頭には黄色い帽子。スモック姿。御丁寧にランドセル付きだ。





美奈子「せーかくはぁ、ちょーっといろっぽくってなきむしかな!
    えっへっへー、千影おねーちゃん、よろしくぅ!」





 嬉々として打席に向かう「8歳児の変装姿」の美奈子を真っ白に
燃え尽きながら見送るしかなかったスターライツ。ストライクカウ
ントが順調にアップして行く主審のコールを遠くに聞きながら、こ
れまた真っ白に燃え尽きてベンチに這い蹲っている残りのセーラー
チームに聞く。聞きたくもなかったが、聞いておかないと怖かった。

星野 「・・・おぃ。」
亜美 「御願い。何にも聞かないで下さい。」(;_;)
夜天 「・・・なんでよりにもよって、あいつなんだ?」
レイ 「自分なら変装が得意だから・・・って。セーラームーンに
    変装したってバレなかったから・・・って。」(;_;)
大気 「・・・何故、止めなかったのですか?」
まこと「止める前に、あの格好してベンチ裏から出てきたんだよぉ」(;_;)
火球 「・・・大丈夫ですか、ほたるさん?」
ほたる「私、やっぱりこんな試合、出るんじゃありませんでした。」(;_;)

 泣いて後悔しても、もう遅い。ほら、あっと言う間に帰ってくる
8歳児美奈子。当然、ボロボロに精神汚染され泣きじゃくりながら、
アウトカウントをきっちり1つ増やして帰ってきた。曰く。

美奈子「ひっく、ひぃっく・・・ぐすっぐすっ、ぐしゅっ・・・、
    ひ、酷いのよ。『いい年して、何を考えてるんだ』って。
    『恥ずかしくないのか、この年増』って。『普段から恥ず
    かしい格好で飛び回っているんだから休みの時くらいは落
    ち着け』って。ぐすっ、ぐすっ、ひぃっく、ひく、ちーん!」

 あーあ、と言う態度で迎える3塁側ベンチ。尤も同情する人間な
ぞいやしない。まことにしても、無表情でタオルを差し出しただけ。
尤も涙と鼻水でグシャグシャの美奈子は一向に構っちゃいなかった
が。とりあえず美奈子はベンチの隅に放り出し、貴重なカウントを
1つ減らしてしまった事に絶大な後悔をしつつ、セーラーチームは
次打者の協議に入った。おそらく長引くだろう。誰もがそう覚悟し
た。誰だって心に傷は負いたくないから。だが、直ぐに。





ほたる「私が行きます。」
亜美 「ほたるちゃん!」





 亜美だけではない。全員が目を丸くして驚く中、ほたるは震えな
がら、しかし毅然として言った。

ほたる「大丈夫。心配しないで下さい。考えがあります。」
レイ 「でも、ほたるちゃんは1度あれを喰らっているのよ!?」
星野 「そんな! あんなのを2度も喰らおうって言うのか君は!」
亜美 「ほたるちゃん、悪い事は言わないわ。やめて。」

 口々にほたるを止めに掛かる一同。そんな彼女らを見ながら、ほ
たるは弱々しく微笑み、青い顔で首を横に振り、言った。

ほたる「だから、大丈夫です。私の考えどおりなら、2度も囁かれ
    る事はありません。いぇ、ちょっと正確じゃないんですが。」
レイ 「・・・何をする気なの?ほたるちゃん。」
ほたる「今は言えません。それと一つ御願いがあります。」
大気 「何ですか?」
ほたる「私が打ったら直ぐに誰か走れる様、代走を御願いします。」

 その言葉に面食らう一同。確かに、打席に立つ者が打った瞬間に
打席脇からスタートする代走行為は、体の不自由な者が野球に参加
する場合は珍しくないルールだ。おそらく今回もすんなり認められ
るだろう。だが。

夜天 「代走ってったって・・・ほたるちゃんは、きちんと走れる
    だろう?」

 誰もが考える当たり前の疑問。それには答えず、また儚げに微笑
んだだけで、これに答えたほたる。そしてこれを意気に感じたか、
まことが代走を買って出た。直ちに主審に伝えられ、シスプリ側も
多少面食らいながら、これを了承。しかし多少のハンデ、および代
走者へ「囁き」の影響が出ない様にとの配慮で、まことは打席から
数m離れた所でクラウチングスタートの姿勢をとった。そして。

爺や7「プレイ!」

 主審のコールが上がり、それとほぼ同時に、





ほたる「サイレンス・ウォール!」





 最初から打席に「沈黙の鎌」を掲げて入ったほたるが、自分を中
心に直系1m高さ2mほどの円筒状に「沈黙の壁」を張り巡らせた。

まこと「ほたるちゃん!」
四葉 「何をするデスか!?」

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とっても長くなりましたので一旦切ります(^^ゞ。続きは直ぐに。では。
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