こん○○わ、PARALLAXです。

"S. GOTO" <goto.shinichiro@tx.thn.ne.jp> wrote in message
news:9er4vo$b92$1@news.thn.ne.jp...
> 後藤です

ども(^○^)/。では、続き。

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【突然妄想劇場】瀬戸内少女野球団 球魂一発 北の○○・南の××
        炸裂! 女の意地が、マリンスタジアムに花開く
                     (5回裏 その2/2)
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◆15:45 試合中断中

〔これまでのお話〕皆の応援こそ自分の役目。そう自負する花穂。
しかし追いつかない自分の実力に千地乱れた花穂の心は、遂に一線
を越えてしまった。最早当然、試合どころではない。花穂を自宅へ
連れ帰るべく動き始める両軍選手たち。と、其処へうさぎの声が。
彼女へ振り返り、其処に誰が居るのかを知った、レイが呟いた。





> レイ 「・・・クィーン・・・」





 ゆっくりと花穂に近づき、光の消えた瞳へ高さを合せながら、
優しく微笑み、うさぎが、クィーンセレニティが、言う。

うさぎ「・・・がんばったね。」

 ぴくり、と花穂が反応した。これまで何を言われても、ただ微笑
むだけだった花穂が。マイペースで動くうさぎを呆然として見てい
た両脇の春歌と白雪が驚いて花穂の横顔を覗く。

うさぎ「そうだよね。貴女がみんなを元気付けていたんだものね。
    がんばったね、花穂ちゃん。




    だから、今度は花穂ちゃんが、元気を分けてもらおうよ。」





 ふ、と花穂がうさぎと目を合せる。見れば花穂の瞳に大きな涙が
溜まっていた。花穂の瞳がうさぎの瞳を見ている。

うさぎ「私の元気も、花穂ちゃんにあげる。みんなの元気を花穂
    ちゃんにあげる。だからもう一度、花穂ちゃんになって。」

 言葉を紡ぐうさぎ。いや、其処にいたのは紛れもなく、悠久の時
に渡って自分たちセーラー戦士を導いてきたクィーンセレニティ、
その人だった。畏敬の念を抱きながらクィーンを見つめるセーラー
戦士達。彼女たちが囲む中で、皇女は自らの友人に語り続けた。

うさぎ「大丈夫だよ。みんな花穂ちゃんから元気を貰ったんだから。
    だから、





    もう、ひとりだけで、がんばらなくってもいいの。





    ね?」

 ぶわ、と花穂の瞳から涙が溢れる。両脇を支えていた春歌と白雪
を振り払うように、目の前のうさぎに飛びつき、抱きしめる花穂。
わんわんと泣きながら、ぎゅ、と抱きしめる。そんな花穂の頭を優
しく撫でながら、土埃と汗で汚れた野球ユニフォーム姿のクィーン
セレニティが囁きかける。

うさぎ「花穂ちゃんは、花穂ちゃんだから。花穂ちゃんらしく、
    花穂ちゃんの力で。」
花穂 「私の・・・ちから・・・」
うさぎ「うん、そう。私も私の力で戦ってるんだから。だから花穂
    ちゃんも、花穂ちゃんの持っているもので戦って。」
花穂 「私の持っているもの・・・私のもの!」

 うさぎを抱きしめたまま、クィーンセレニティに抱かれたまま、
花穂が呟き、言い、叫ぶ。自分を見る花穂の瞳に光が宿っている事
を見て取ったクィーンセレニティが微笑み頷き、ゆっくりと離れた。
わっと花穂を囲む妹達。半泣きで自分を囲む姉たちに面食らいなが
ら、口々に自分へ謝り感謝する姉たちに戸惑いながら、皆が自分を
抱きしめるに任せる花穂。その姿を満足げに見、ゆっくりと1塁側
ベンチから離れるうさぎ。と、ついとその傍に付き従う者がいる。

せつな「お見事でした、セレニティ。」
うさぎ「・・・せつなさん。」
せつな「このプルートー、感服致しました。流石クィーンですね。」
うさぎ「えへへ、やだなぁ。そんな事ないよ。私は私の気持ちを
    言っただけ。それだけだよ。」
せつな「ですが、この人を癒し救う力は、紛れも無くセレニティの」
うさぎ「私は私。うさぎ。それだけだよ。」

 ふふ、と笑い、せつなから離れるうさぎ。面食らうのはせつなの
方。ぽかんとして見送るせつなへ振り向き、うさぎが言った。





うさぎ「だって私も、いつもみんなから元気をもらってるんだもの。」





 微笑み、3塁側ベンチへ駆けてゆくうさぎ。相変わらずぽかんと
した表情のままで見送るせつなの後ろで、此方は納得した様に彼女
を見送る、はるかとみちる。

はるか「なるほどな。うさぎはうさぎ。しかし同時にムーンでもあり、
    クィーンセレニティでもある。そう言う事か。」
みちる「そうね。・・・でも、それだけかしら?」
はるか「なんだよ、突っかかるな?」
みちる「いえ、私もそう思うわ。でもね、はるか。





    その3つって、あの娘の中で分かれているのかしら?」




 はっとして自分の傍らのネプチューンを見るウラヌス。もう一度、
彼女の敬愛するクィーンを見る。其処に居たのは、




                           だった。

■5回裏 終了 |1|2|3|4|5|6|7|8|9|− ■
■Sailors|0|0|1|1|0| | | | |2 ■
■Sisters|2|0|1|0|0| | | | |3 ■
■    NEXT:美奈子・レイ・まこと ◆ マウンド 千影 ■

ごめんよ、花穂ちゃん。 では。
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