こん○○わ、PARALLAXです。

"S. GOTO" <goto.shinichiro@tx.thn.ne.jp> wrote in message
news:9er4vo$b92$1@news.thn.ne.jp...
> 後藤です

ども(^○^)/。では、続き。

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【突然妄想劇場】瀬戸内少女野球団 球魂一発 北の○○・南の××
        炸裂! 女の意地が、マリンスタジアムに花開く
                         (2回裏)
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◆11:00 2回裏 プロミストアイランドの攻撃

せつな「締まって参りましょう!」

 はーーーい!

 流石に2点も先攻され未だに0点のままで居るこの事態は、超人
野球を自負するセーラーチームには衝撃的だった。あわよくば初回
デモンストレーションで試合放棄、悪くても初回か2回目の攻撃で
大量の得点差をつけて無理矢理コールドに持ち込み、余った時間は
リゾート三昧し倒そうと言う当初の計画は、第2回にして脆くも崩
れそうになっていた。しかもたった2回裏までしか進んでいないに
も関わらず、既にプレイボールから1時間も経過している。これは
実に由々しき事態だった。こんな調子で進んでいては、一体試合が
何時になったら終わるか判らない。それでははるかさんやみちるさ
んやせつなさんなら兎も角、私たちには慣れない「大人の遊び場」
しか開いていないではないか。いやそれならそれでも良いんだけど。

 とか何とかと不謹慎な事を考えながら、セーラーチーム各員は、
セーラー戦士間で有効なセーラーテレパシー(こんなもの本当はあり
ません)で会話しながら、守備に散っていった。

美奈子[まずいわね・・・]
亜美 [1回半で約60分。これをそのまま平均すれば、1回あた
    りの所要時間は40分。これに残りの7.5回分を掛ける
    と・・・]
うさぎ[2万3千時間?]

 ばきっ

レイ [こぉのおばかー! 何よそのベテラン機長退職前手記本の
    帯に書いてあるような時間数は!]
うさぎ[ったーいレイちゃん。つーかテレパシーで殴らないでよぉ。]
まこと[ど、ど、ど、どーやってやったんだい?]
亜美 [さぁ? でもセーラー戦士ですもの。何でもアリよ。]

   [・・・・・・・・]

美奈子[・・・最近の亜美ちゃんってば、なんかイイ加減度が増し
    ているような・・・(^^;)]
レイ [ここだけの話だけど、さっきのバッターが『蛮族』扱いや
    ら『劣等人種』呼ばわりやら『骨放り投げてる猿』表現や
    らしてったでしょ? あれが、ねぇ・・・]
ほたる[そこまで言っていたかしら・・・?]
まこと[でも亜美ちゃん、プライド高いしねぇ。]
うさぎ[そうそう。亜美ちゃん本人は自覚無いみたいだけど。]
はるか[確かに彼女は異様に細かい事に拘りがちだ。]
みちる[そう言うはるかは大雑把過ぎよ。こないだだって、]
はるか[ぅわわわ!あの事は誰にも内緒だって]
みちる[あら、ごめんなさい。でももう無駄よ、考えちゃったから。]
美奈子[えぇー!はるかさんってば、お風呂上りはすっぽんぽんな
    んですか!」

 流石、テレパシー。映像まで伝わる、究極のマルチメディア。

レイ 「きゃっ! しかもそのまま冷蔵庫前まで行って、腰に手を
    当て胸を逸らし仁王立ちで牛乳をごきゅごきゅと・・・」
うさぎ「すごいすごいすごーい! 上から下までくっきりと!
    上が金色だと下も金なんですね!(意味不明)」
ほたる「はるかパパ・・・大胆・・・」
せつな「それにしても随分と鮮明なビジョンですけれど、一体誰の
    ものなのですか?」
みちる「勿論、私。はるかったらまるで見せびからすみたいに。」
美奈子「えっ、それじゃ、毎晩?」
みちる「そう、毎晩。のべつまくなし。」
レイ 「1日も欠かさず?」
みちる「そう、盆暮れ正月無関係。」
はるか「うるさいなぁ!そういうみちるだってシャワーの度ごとに
    ボクをシャワールームへ呼びつけて、すっぽんぽんのまま
    ボクに髪の毛を洗わせるのは止めてくれないか!」
美奈子「こ、こちらの映像も・・・大胆・・・」
レイ 「しかも真正面から・・・あ、鼻血でそう。」
うさぎ「すごいすごいすごーい! 上から下までくっきりと!
    上が緑色だと下も緑なんですね!(ますます意味不明)」
ほたる「みちるママ・・・大胆・・・」

   [・・・・・・・・]

はるか「・・・こほ。そもそも、何の話だったけ?」
みちる「まぁ、はるかったらテレちゃって。うふ。」
はるか「違う!つーか先ずみちるがテレろ!」
うさぎ「えっと、亜美ちゃんがキレちゃってプンときておっぺけぺー
    な話だったかと?」

 どげしっ

うさぎ「ったーいなぁもお。レイちゃんってばテレパシーで蹴飛ば
    すの、止めてよね。」
レイ 「うるさい何度でも蹴ってやるっ! げしげしげし!」
美奈子「しっかし、あれよねー。テレパシーって心の声だからこう
    して喋ってられるけど、本人には聞かせられないね。」
レイ 「普通に喋ってたら聞こえちゃうところだもんね。」
うさぎ「あたしたち、セーラー戦士で良かったねー。」

 あっはっはっはっはっはっはっはっは・・・

地場衛「・・・それで? 試合時間の計算は出来たのかな?」
うさぎ「わっ!びっくりした!
    まもちゃん、おとめのかいわにわりこんじゃ、めーなのよ。」
地場衛「9歳児でもないのにそんな表現使うな!しかも平仮名!」
レイ 「つーかまもるさん、なんで私たちのテレパス会話に割り込
    めるわけ!?」



亜美 「と言うか、みんな普通に喋ってるんだけど・・・」



   「え?」



美奈子「何時からっ!?」
地場衛「美奈子ちゃんの『お風呂上りはすっぽんぽん』かな?」
美奈子「あーん! 美奈子もうお嫁に行けない!まもるさん、責任
    とってね?(はぁと)」
うさぎ「あーっ!まもちゃんに責任とって貰うのは私が先なんだぞ!」
レイ 「・・・亜美ちゃん・・・聞いてた・・・?」
亜美 「いーえー、ちっとも。いい加減度が加速度的に増していて
    プライド高くて異様に細かいなんて、全然聞こえてこなか
    ったわ。」(ぴきぴき)
まこと「いやぁ、こりゃ参ったなぁ。 わっはっはっはっはっは。」
はるか「はっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは。」
みちる「笑って誤魔化しても駄〜目、おしおきよ?(はぁと)」
はるか「うわぁみちる!なんでボクがぁ!」
ほたる「大人って・・・大人って・・・不潔・・・」



せつな「あのー、皆さん・・・
    そろそろ試合に戻った方が、宜しいのでは・・・」



   「あ。」



 すっかり他人の顔をしているファーストとサード。心配そうに
皆へ声を掛けたキャッチャー。その微笑の下に隠された、深く静か
に潜行している怒りが怖いセカンド。笑って誤魔化すピッチャー。
セカンドの気配を持てる妖力でビシバシに感じてしまい恐怖に震え
上がっているセンター。監督を挟んでの痴話げんか真っ最中なライ
トとショート。これらのすったもんだが収まるのに、約20分を要
した。あ、ちなみに上記メンバーでレフトが欠けているのは、彼女
だけがきちんと落ち着いていたからだ。流石、沈黙の戦士(違)。

爺や 「プレイ!」

 さてシスプリチーム側、打席に立つのは7番バッター四葉。

まこと「・・・見たところ、普通の娘みたいだけど?」

 だが油断はならない。初回の攻撃を通してつくづく思い知ったが、
「憑依システム」は実に強力だった。全く外見の印象を変えないま
ま、土壇場になってころっと超存在へ転換できるのだ。幾ら強力極
まりない攻撃技を多種多様に繰り出せるセーラー戦士とは言え、そ
れなりに強力な攻撃を行うにはそれなりの事前準備が掛かる。例え
ば技を使う際の呪文がそうだ。言霊に乗せた呪力により霊的に受け
継がれた魔力を現実視できるほどに高める事で、彼女らは初めてこ
のニュートン−アインシュタイン法則に支配された第7世界の上で
第3世界や第2世界並みの魔法力や聖霊力を振るえるのだ。だが、
「憑依システム」はこの世界観制限をあっさり乗り越える。まるで
体内にワールドタイムゲートを抱えているようなものだ。反則だ。

 そんな、突撃行軍歌を思わず歌いだしたくなるような事をつらつ
らと考えながら、まことは第1球を放った。集中しきれないまま。

まこと「まずっ! ミスった!」

 すっぽ抜けた球が真っ直ぐ四葉のこめかみに向かう。勢いは普段
どおりの球威と変わらないから、時速150kmもの硬球がこのま
まだとバッターの脳天を直撃する。待つのは、死あるのみ。後2秒。

 他の全セーラー戦士も直ぐにビーンボールに気付く。だがバッター
に最も近い位置で守備するのは外部太陽系3戦士であり、彼女らが
バッターを守るために自らのセーラーパワーを振るえば、下手をす
れば球場ごと吹き飛ばしかねない。恒星間戦争用の兵器を限定局地
地上戦で使うようなものだ。いや実際その通りなのだが。だが他の
セーラー戦士の力では、事前に打ち合わせや練習でもしておかない
限り、硬球程度の大きさの物を近傍の一般人に影響与えず撃墜する
なんて事は不可能だ。ましてや時間が足らなさ過ぎる。呪文を唱え
る時間すらない。悲鳴を上げる時間すら無いのだから。

 そして、必然的に。

 鋭い衝撃音が、高らかに球場に響く。

 砕け散る強化プラスチックの破片を軌跡に残しながら、ゆっくり
と少女の肉体が空を舞う。まるで巨大な拳に殴り飛ばされた様に。

 衝撃で切れたストラップをまるで引き千切られた血管の様に躍ら
せながら、ヘルメットが少女の首から転がり落ちる。まるで鋭い鎌
が少女の首を狩り飛ばしたように。

兄ちゃ「・・・そんなバカな!」
可憐 「四葉ちゃん!」
まこと「ご、ごめんなさい!」

 即座に両軍の選手がバッターボックス近くへ転がる様に駆け寄る。
これがプロ野球なら直ちに乱闘事件が勃発するところだが、そんな
怒りを感じる余裕がある者なぞ無かった。何よりボールを投げた当
の本人が最も真っ青な顔をして、大柄な体を縮めるかの様に四葉へ
取りすがっている姿が、最も能弁に事態を語っていた。

 ビーンボールの危険性を今更此処で書く事も無いだろう。しかも
今回は列記としたヘルメットが砕け散っているのだ。直ちにERの
緊急医療チーム(普段は鞠絵の為に待機中)が呼ばれ・・・

 呼ばれようとした、その時。

四葉 「あー、びっくりしちゃいました。流石の四葉ちゃんも、こ
    んな球はチェキしきれなかったデスねっ。」

 ぱちっと目を開け起き上がり、ふるふるっと頭を振ってにっこり
笑い、四葉は立ち上がった。ぱんぱんとウェアを払いながらぴょん
と跳ねる。全く、何時も通りの四葉だった。

可憐 「よ、四葉ちゃん?」
咲耶 「あの、その・・・何ともないの?」
四葉 「はい? え、嫌だなぁ可憐チャン咲耶チャン。四葉はこの
    通り、いつも元気元気デスよっ!」

 そのまま、驚く皆の前でぴょんぴょんと跳ねる四葉。呆然として
いるセーラー戦士たち、そして姉妹たち。

兄ちゃ「・・・そんなバカな。」

 この人はいつも通り。が、こう言った時に最も早く我に帰るのが、
歴戦の勇者と呼ばれるに相応しい者。

はるか「えーと、四葉ちゃん?ちょっといいかい?」
四葉 「ハイ? わぁ綺麗なお姉さん!」
みちる「うふ、正直な娘ね。お願い、ちょっと頭を見せて欲しいの」
四葉 「ハイ、いーですよ。」

 みちるの繊細なピアニストの指が、それでもおそるおそる四葉の
こめかみをまさぐる。44口径すら止める強化プラスチックのヘル
メットさえ砕けた衝撃がまともに伝わった筈の場所だ。下手に触れ
ば、偶然砕けていない骨をも豆腐の様に崩しかねない。

はるか「・・・どうだ・・・?」
みちる「・・・信じられない・・・なんともないわ・・・」

 くすぐったそうに触られていた四葉がにこっと微笑む。呆然と頭
をまさぐっていた指を外すみちる。彼女と同じく信じられない思い
で呆然とするはるか。勿論、他の者も同様だ。

四葉 「え、エヘヘヘ・・・みんな、どうしたデスか? 不思議で
    すねぇ、チェキしたいデスねぇ?」

 流石に周囲の不穏な空気を感じたか、にこにこと笑いながら四葉
が周りに聞く。と、その彼女を、いきなり抱きしめる者が居た。

四葉 「わっ! なんデスか!」

 豊かな胸に丁度顔を埋められる様な姿勢で抱きしめられた四葉。
そりゃ驚く。これまでにこんな経験なぞ無い。

四葉 (・・・いい匂い・・・あったかーい・・・)

 つい、その温かみに身を任せてしまう。安らぎすら感じる四葉。

 ふと、その頬に、熱いものが滴り落ちてきた。何?・・・

 顔を上げる。見ると、栗色の長い髪をした大きな体のお姉さんが、
自分を抱きしめていた。ぎゅ、と引き絞った唇から嗚咽を漏らしな
がら、ぎゅ、と自分を抱きしめている。瞑った目から、次々と大粒
の涙が溢れている。それが彼女の頬を濡らし、伝い、そして四葉へ
滴り落ちる。四葉の頬が、お姉さんの頬と同じ様に濡れてゆく。

 四葉は、その見知らぬ姉が、自分を彼女の涙で濡らしてゆくこと
が、何故か嫌とは感じなかった・・・。









 さて、試合再開。何故か無事で居られた四葉だから、当然デッド
ボールとして1塁進塁。本人は元気一杯で、1塁ベースの上で踊り
あがって喜んでいる。全く信じられない、監督のコメント。

兄ちゃ「・・・そんなバカな。」

 が、セーラーチームの方の打撃は深刻だった。プロでもない者が
すんでのところで殺人をしそうになったのだから。他の者は兎も角、
少なくとも当事者であるまことは、ボールが握れない状態だった。

地場衛「オーダー、変更。」

 本来ならまことをベンチへ引き上げさせるのが当たり前だが、
何せギリギリ9人しかいないセーラーチームにそんな余裕は無い。
仕方なく大幅に守備位置を入れ替える地場衛監督。とりあえず、
これまでボールが飛んできていない場所へまことを下げるべく、
等幅フォントで読んで頂きたい図で下記の通りに相成った。


     うさぎ
      |
ほたる   |   まこと
  \  /\  /
   美奈子 亜美
   /    \
 せつな はるか レイ 控:なし
   \  |  /
    \ | /
     みちる

 事ここに至り、これまでお遊び気分で居たセーラーチームからは
すっかりそんな気分が消えた。確かに自分たちは地球すら守るほど
に強力な存在になった。並みの人間なら歯牙にも掛けず打ち倒せる
事も事実だ。たかが野球じゃないか、こんなもの自分たちの能力か
らすればあっさり片付けられるはずだ。ましてや相手は小中学生の
女の子。簡単簡単・・・と、これまでは考えていた。

 だが、蓋を開けてみて、どうだ? 相手は凄まじく強力なシステ
ムを持っていて、軽く此方の実力を凌駕する。2回を終わって2点
のビハインドを背負っているのは自分たちだ。しかも相手はビーン
ボールすら弾き返すだけのポテンシャルを秘めている。しかし見掛
けは、あくまで只の小中学生なのだ。

地場衛「・・・わかったか、みんな。
    彼女らと俺たちは、根本的に違う。
    物理法則のレベルから違うと思った方が良いんだ。」

 真剣に語る監督の言葉が、円陣を組んだセーラーチームの心に染
み渡る。一人一人の目つきが変わってゆく。これは、銀河の覇権を
掛けて戦った時の目つきだ。それを満足そうに確認した監督は、し
かし表情を緩めず、鋭く檄を飛ばした。

地場衛「監督として、命を下す。これ以上のビハインドは今後の
    戦力消耗を考えても、絶対に許されない。必ず死守しろ。」

一旦言葉を切り、すぅ、と息を吸い、淡々と、しかし気迫を込めた
言葉で繋ぐ。それだけに、修飾されない生の気概が皆に伝わる。

地場衛「全員突撃、ガンパレード。最後の一人まで悉く敵と戦い、
    死力を尽くせ。持っている全ての戦術を駆使しろ。

    先ずは何としても、この回を守り通すんだ。いいか!」

全員 「はい!」

 守備位置に散るセーラー戦士たち。迎える打者は8番の花穂、
そして9番の白雪。正体が判らない以上、例え見かけが小学生の
女の子であっても、一瞬も気合を抜く訳には行かない。目元を一切
緩めないまま、マウンドのはるかはボックスに入る花穂を睨んだ。



 その後。たったの6回、みちるの構えるミットから鋭い捕球音を
鳴り響かせただけで、この2回の裏のシスプリチーム側攻撃は走者
を1塁に残留させたまま、終了した。

■       |1|2|3|4|5|6|7|8|9|− ■
■Sailors|0|0| | | | | | | |0 ■
■Sisters|2|0| | | | | | | |2 ■
■   NEXT 亜美・ほたる・うさぎ ◆ マウンド 鈴凛■

 厳しい顔のまま、セーラー戦士たちが3塁側に帰ってゆく。それ
を眺めながら、山田太郎(魂の名)は手元のメモに視線を落とした。

山田 「四葉役。 半場友恵さん。 アーツビジョン所属。
    出演作品。・・・『学校の怪談』二宮金次郎役・・・?。」

 旧校舎前の二宮金次郎像は、石造りだったんだろうか? そんな
事を思いながら、彼は3塁側監督を見やりつつ

山田 「此処は『死ね』と言うべきなんでしょうが、貴方はそれを
    言えなかった。・・・僕は貴方を軽蔑しはしませんよ。」

と呟いていた。


何故にいきなりシリアスになってしまったんだろう(^^;)。しかし、
善行司令の台詞をこんなに早く使う積もりは無かったんだが。では。
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