>>  (Noboru SAITO <j0315@cocoa.ocn.ne.jp>) さんは
>> 『Re: 車買いかえ』の中で書きました。

 > 「新年会の時にずっと彼女がいないって話からいきなりホモ疑惑を
 >   かけられた身としては、まずきっかけでもいいから引っかかって
 >   くれれば御の字さ。」
 > 「さいで」
 > 「大体みんな何だよ、いきなり『ホモ、ホモ』って。
 >   っていうか『じゃあこの職場の女の人でいうなら誰が』とか。
 >   そもそもうちの職場、妙齢の女性って三、四人しかいないだろ。
 >   しかもそのうち二人を目の前にしてどうしろと。どんな罰だよ。
 >   名前出しても出さなくてもしゃれじゃすまないじゃないか。」
 > 「どうやってのりきったの？」
 > 「秘密」

愛車の運転席で会話を楽しむ男を遠くから見ているものたちが居た。
「おい、ほくなんさん誰と話しているんだ？」
ひとりが眼を眇めながら不思議そうに言う。
「それをオレに聞くな、
　ほくなんさんはな『外車男』になっちまったんだ」
もうひとりが悲しそうに視線をあらぬ方に無理に向けて呟く。
「が、がいしゃおとこ？
　なんだそりゃ」
「新しく買ったＢＭＷにな≪エルメス≫と名前をつけ
　自分の車と会話するような痛い人になっちまったんだよー」
彼の言葉にはやりきれない無常感がこもっていた。後輩として（ちっ
とくらいは）尊敬していた先輩の壊れていく姿をどうすることもで
きないことへの憤りがそうさせているのだろう。
「だいたいおまえがその場の調子で
　『ホモだホモだ』と囃したてたりすたのがいけないんだ！」
「全部ぼくのせいかよ、、、」
彼はもうひとりの襟首を掴みかけて、なにげにそれをぷいと止め、
遠い景色を眺めるようにＢＭＷが停まっている方を見た。
「とおい人になっちまったんだよ...」
彼は中原中也の詩の断片を朗読するように言う。
「おれたちにできることは
　もう、あたたかく見守るしかないのか」
「そうだな、
　どこかにヘレン・ケラーみたいな女性が居ることを祈るしかない
ようだ。」
「おまえヘレン・ケラーを誤解してないか？」
「はは、そりゃそうだな」
いつのまにかＢＭＷはどこかに走り去っていた。

 > ほくなん % のりたまさんも BMW なんですか?
-- 
のりたま＠はいわたしはホモには興味がありません
　　　　　正真正銘、真性の女好きです。