こんばんわ。
　虚人ねこ様。
　鹿之助サイトＢＢＳでは、どうも。
　ニュースグループなんて、企業の広告しかないものだとばかり思ってました。
　シュミのニュースグループも、こんなにあったんだ…。
　
　虚人ねこ様。あなたが懸念するように、大久保美籾は基本がなってない可能性は高
い。
「おにいさまへ…」はフィルムコミックスを。池田理代子原作は総集編の中巻だけ入
手できたので、それを。
　あいにくリアルタイムでは体験してません。Ｃ翼ウソやおいが現実ひきずりJUNEを
駆逐する、美少女系が真性ロリと劇画Ｈを駆逐する、その渦中にはいましたけど。
（当時すでに）大昔の池田理代子なんて眼中にありませんでした。
　しかし。
「花物語」の次は柿沼瑛子で、こんどはさらにレベルを下げて「お兄さまへ…」、
だ。
　なるほどね。“古典”は必修だわ。
　知らないと人間あつかいされないのね。
　虚人ねこ様の発言に。「美少女系レズアニメを１作知っているくらいで、キミには
百合やヤオイを語る資格があるのかね？　どうせキミは美少女系から来たバカ男だろ
う？」と言われた。という被害妄想をわたしは発生させた。
　むっかー。じゃあなんだよ。家中の少女マンガとやおい本のリストでも送れという
のか？　性転換手術の英語論文抄章とか、産婦人科学会誌とか、畜産現場の人工授精
技術とか、機械学会誌のＭＥ（医療工学）関連記事とか、精神医学の英語文献何冊読
んだとか、女性問題ミニコミ誌とか、本物のギョーカイ人に知己はいるのかとか、
そーゆーののリストが欲しいのか、こいつは？
　−−ナメられたっ！
　完全な被害妄想である。
　で、ドタマに血を昇らせた。
　勝手にバカ男よばわりされたと誤解して熱くなってる鹿之助氏など、ハナから眼中
になかった。こっちには、これでマリ見ての悪口書いたら楽しいことになるだろう
な、という悪の誘惑に駆られてしまうくらいの余裕さえあった。
　−−それでホントに書くなよ。やつあたり。われながら、大人げない。
　で、一般消費者を相手にするサイトのＢＢＳで、くだらねー論を展開してしまっ
た。
　よい娘ちゃんたちには、生産者側が何を考えてケーキを生産しているか、なんてこ
とは関係ない。一般消費者がほしいのは、口当たりの良いケーキだけだ。消費者
（ファン）サイトに生産者側の話をカキコするなんて。われながらバカなことをし
た。
　以上は、懺悔です。

　ちょっとは期待があったんだ。鹿之助氏には。彼自身、派生小説書いてる（生産者
だ）し。美少女系作品・男性ポルノ作品を紹介するコーナーがあったから（閉鎖前。
現在は、ない。しかし、美少女系ゲームの紹介記事は＝不定期日記は、ある）。彼も
わたし同様、（やおい者が常用する）美少女系のアク抜き手法を知っていて、それで
美少女系作品を百合に変換して鑑賞しているのだと思っていた。
　少なくとも彼は、あんぱんまんやおい（メロンパンナ＆ロールパンナ）が読解でき
る視力を持っていた。やなせパンを脳内で擬人化・百合美少女にキャラデザインしな
おす能力がある、と。しかし、そうではなかったようだ。すでに擬人化された同人誌
を見て、それ“だけ”を消費していたのだろう（確度の高い推定）。
　その擬人化された絵は。どうして擬人化ロールパンナは黒髪たてロールでなければ
ならないのか、とか。なぜ彼女の瞳は青いのか、とか。やなせじじいが“美人”には
通常どんな“記号”を盛り込むか、なーんて視点はなくて。ただ、おねーさまだたて
ロールだ、と喜んでいたのだろう（確度の高い推定）。メロン＆ロールやってるサー
クルは片手に満たない。わたしの持ってる同人誌と同じものを彼は読んでいるハズだ
（確度の高い推定）。
　エスカの２＆６よりPart16が好き、と言う時点で気付けば良かったんだ。あ、こい
つは表層の甘甘にしか用事のないヤツなんだって（もちろんそういう消化法も、あっ
ていいと思う。わたしはイヤだが）。
　鹿之助氏。これを見ているのなら。違う！　とわたしの誤った推定を正してくださ
い。
　やおいのキモは何でしょう？
　ホモ？　ちがいます。
　美形？　ちがいます。
　キモは“変換”と“差異”と“でも同じ”です。
　わたしは、百合にも、それを求める。
　たとえば。
　四谷シモーヌの橋本龍子×小沢一子やおい（逆やおい）。
　自民党の派閥争い→女学院なかよしグループの対立
　うっとーしい政治家は美形美少女に。住専事件は、おこづかい投資サギに。メイン
の派閥抗争はおねえさまグループの対立に。それぞれ変換された。
　現実自民党と女学院という差異。
　でも、橋本と小沢の政治抗争対立は同じ。
　“変換”と“差異”と“でも同じ”。
　あ、もちろん、政治抗争→愛のかけひき。
　表層の女学院百合はとうぜん甘美であったし。
　後背の変換作業の妙も堪能した。
　ほとんどの甘百合に、このような、後背にしくまれた変換はない。
　ただ甘甘話をなぞればいいと思っていやがる。
　だから、つまんねぇんだよ。甘百合同人誌は。
　多くのやおいもそうだけどね。

　さいきんの娘らは。
　裏側に仕組まれた変換の妙、なんて、どーでもいいんだな。
　表層の物語がいかに口当たりが良いか、それしか考えていない。
　それだけ百合は市場が成熟した、ってことだろう。
　わたしの時代には、わらびどころか、フグやら百合根（ヒガンバナの球根）さえ調
理できるのがアタリマエだったのだが。
　最近は、んなゲテモノはムリして食う必要はないのだな。
　Windows95以降に育って。なんでもクリックすれば片が付くと思ってるいまどきの
娘さんには。「Dos窓開いて、コマンド打ち込んで、デバイスドライバ交換して、再
起動」する程度のことさえ、至難の業なのであろう。エミュレータ使ってDosV機で
Macソフト走らせろと要求したわたしがバカだったさ。昔は、みんな自作したエミュ
レータ持ってたのにな。エミュレータ持ってることこそが“おやくそく”だった。
　わたしの拙作の表層には、鹿之助氏は喜んでくれた。しかし。男の子のオモチャを
女の子の世界に叩き込んだ快感、というのを鹿之助氏には理解していただけなかった
ようだ。これは残念でならない。彼は、この行為自体の、つまりやおいの快感じたい
を知らないのだ（確度の高い推定）。それでも逆やおいサイトを主催している。もは
や百合＝逆やおい、ではないのだ。
　年をとったな、とわたしは思った。

　わたしも甘百合にはたいへん用事がある。
　せらむんでは。まこ亜美。
　正確には、まこ亜美にレイが余る。原作レイだとなお可。
　このレイが余る、がポイント。
　そして、わたしはレイを中心に消費する。
　レイの流す血涙が、悲痛な叫びが、真実であるためには。
　嫉妬の対象であるまこ亜美は、超一級の甘甘でなければならない。
　クルマの両輪なのさ。
　甘甘と血涙と。
　どっちが欠けても、つまんねぇ。
　なのに、ほとんどの甘百合には甘甘しかない。
　楽しさ半分。がっくし。

「マリ見て」に血涙娘はいない。
　楽しさ半分。がっくし。
　それと、問題がもうひとつ。
　主人公裕巳が好きになれない。
　祥子様を愛する者のために。感情移入装置として、裕巳は用意されている。
　しかし。こういう人畜無害なボケボケ（依代に必要なニュートラル性）は、わたし
にはたいへん目障りだ。
　いてもいなくても大差ないキャラなんぞ、はなから作品に必要ない、という論理的
な排除がかかるのと同時に。
　てめーなんかに祥子様はふさわしくないっ！　と、本気で作中キャラに嫉妬してし
まうのだ。
（百合にかぎらず、こーゆー読みマチガイをわたしはよく発生させる。近年では、Ｃ
Ｃさくらの木之本さくらが大嫌いだ。雪兎も小狼も桃矢も、てめーなんぞにふさわし
くないっ！）
　依代に嫉妬しちゃあ、その作品内には入れない。
　わたしがマリ見てを消費するさい、これがいちばん、障害になっている。
　わたしがこーゆー読みマチガイを発生させるということは。
　それだけ祥子さまが優秀な機械人形で。裕巳が優秀な依代人形（それだけ人畜無害
でニュートラル＝無個性）で。今野の設計は見事に機械装置内で機能している、とい
うことだ。
　マリ見ては好きではないが、優秀な装置だとわたしは確信している（最大級の賛
辞）。
　無能な女の子が、イイ男をとっかえひっかえする。これが古典的少女マンガ。
　無能な女の子は、読者が作品内にはいるための感情移入装置。依代。
　ところが。
　こんな依代バカ娘いらねーよ！
　イイ男だけ欲しい。
　という声が出て。
　最初からイイ男だけの少女マンガが登場するようになった。
　これの、わたしの記憶の最古は、青池保子「七つの空、七つの海」。はじめは依代
バカ娘が主人公だったのだが、すぐに脇にどけられて、イギリス海賊・男Ａとスペイ
ン無敵艦隊・男Ｂの抗争ばかり描かれるようになる。さらに、次作の「イブの息子た
ち」では、ハナから依代バカ娘は用意されなくなった。メインは全員、ホモ男であ
る。こんどは依代バカ男が用意された。
　西尚美や大和和紀などの活躍するフレンド誌で、ホモ男ばっかのコメディがあった
なー、と、うっすら記憶に残っている。
　いずれも70年代末の頃だ。
（田中角栄の失政と石油危機による不況がひといきつき、イランでパーレビ国王が追
放され、第二次石油危機がはじまる直前。新幹線はようやく博多に届いた頃。ピンク
レディーの当時、わたしはマーガレットの「伊賀のカバ丸」に夢中なお子ちゃまだっ
た）
　すでにギャグになっていたということは。遅くとも70年代中期には、依代バカ娘を
排除した、ウソやおいの先祖がいたはずだ（推定）。
　ゲイ譚をJUNEから移植した、という供給側の事情は知らない。ともかく消費側は、
全員イイ男、という物語にしびれた。売れるから、その手法は流行する。そして、本
物のゲイの方々が見たら大爆笑するか激怒するか、というウソホモ話が、少女マンガ
に取り込まれた。
　そのころ。男の子のオモチャ（少年マンガの男性キャラクター）を女の子の世界に
叩き込んで、ナイショのお人形あそびをしよう、ということをどこかの誰かが発明し
た。少年マンガの男性キャラクターには、少女マンガの男の子とは、別の強力な魅力
があったから。
　彼女たちは、ナイショのお人形あそびに、こういうウソホモ少女マンガを脚本背景
に使用した。ウソホモ少女マンガは、ゲイ譚をひきずるJUNEよりも、供給量が圧倒的
に多く、パターンは圧倒的に少なかった。
　そして、85年。このナイショのお人形あそびは、Ｃ翼キャラをホモ話に叩き込むと
いう流行でブレイクする。
　やおいの確立だ。
　見たいキャラの見たい場面だけ。ストーリーなんざそっちのけ。
　ウソにウソを重ねたお約束は高空に舞い上がった。
　その動力部に使用されている機能要素の少なさは、ウソホモ少女マンガに由来す
る。
　ウソやおいが質より量で制空権を確保した以上、ゲイ譚由来のやおいは主流たりえ
なかった。

　やまなしおちなし意味なし。
　その伝統は百合にも継承されて。
　甘甘のらぶらぶだけ、鑑賞するのが主流のようだ。
　でも、わたしは“片輪”だけでは物足りない。
　もう“片輪”ほしい。
　それと、危機感。
　空を飛べないマジンガーＺのように。
　高度１万ｍにとどかない低性能高射砲しかなかった大日本帝国のように。
　当事者の性（男性ポルノのそれではない）と、強烈な嫉妬を描けない現在の甘百合
は。　ヘテロの少女マンガやヤオイと同じことができない現在の甘百合は。
　いずれ致命的な苦戦に追い込まれる。
　わたしはそれが言いたかった。
　でも、んな生産者側の話は、消費者にはどーだっていいことだよね。
　今野に囲われてる連中は、いまだ甘百合に酔っぱらって、甘い夢をむさぼればい
い。
　バカなことを鹿之助ＢＢＳに書いたもんだ。

　虚人ねこ様。
　わたしは百合に対して、こんなことを考えてます。
　教育すればちょっとは使い物になるかもしれません。
　すくなくともあなたが懸念なさってるような美少女系バカ男ではありません。
　もーちょっと中身は詰まってるハズです。

　では、また。
　美梨野機械農園http://homepage2.nifty.com/minashino/index.htm
　大久保美籾mimomi@nifty.ne.jp